実は農村型コミュニティ? 高齢居住者「団地愛」の弊害

 

じゃあ、コミュニティを離れることはどうなの? と言われそうですが、私にとって、都市のコミュニティは、ずっと同じところに住み、昔からお互いのことをよく知っている間柄の人たちによって成り立つ農村型の濃いコミュニティではなく、新たに住民となった人を自然にウェルカムと受け入れる柔軟性と、ご近所に引っ越していく人に「これからもよろしくね」と心から言える包容力を持ったものであってほしい…。住民が入れ替わっても、多様性を尊重し、今いる隣人にさりげなく心を配れる洗練された「文化」が育っている場であってほしい…と思うのです。

私にとって住みやすく安心を感じられるコミュニティはそのような場所なのですが…。

そして、たぶん…多様性を温かく受け入れる文化が育っているコミュニティは、自然に新しい人を引き付け、自然に世代交代ができ、人口減少社会に生き残っていくんじゃないかな…と、そんな仮説を持っているのですが…これには、異論も多いと思います。

できるだけ同質の人に住んでもらうことで、マンションの価値を守っていこうという考え方もあります。私は、どちらもありだと思っています。何を心地よいと感じるか何に価値を感じるかは人によってちがうのです。だからこそ、場所を固定しないで、自分に合った環境、コミュニティに住み替えていくことがもっと自由にできる方が、豊かさにつながる…そんな気もしています。

私たちが目指す都市型コミュニティの姿、人を幸せにするマンションコミュニティってどんなものなのか…皆さんはどう思われますか。

image by: Shutterstock.com

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【著者】 廣田信子 【発行周期】 ほぼ 平日刊

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