このように、脱原発とはいっても、まだまだ道は遠い。本来24基の原発が稼働していた韓国。古里原発の第1号機が停止したので、今は23基が稼働中だ。
フクイチがあったあとの2013年、韓国でアンケート調査が実施された。2013年10月31日、原子力文化財団によると、最近実施した世論調査における原発の必要性は86.2%が必ず必要だと答え、原発利用、賛成率も73.7%、原発の電気の生産への貢献度についても87.9%が非常に高いと答えて原発に対する国民の信頼が依然として高いことをうかがわせた。
こういう国民意識だったのだが、おそらくは、2016年9月の慶州地震(M5.1とM5.8)を見て、文大統領がこりゃあかん、と考えたのではないだろうか。わずか4年前の意識としては90%に肉薄する勢いで原発賛成だったのだが、ここにきて急に脱原発の動きが出ているのだ。上述したように、原発のある現地住民らは、経済が潤うため原発続行派だが、それ以外の人々は、筆者の体感としては脱原発のムードである。今後韓国の原発がどうなっていくのか。非常に注目されるところである。
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