己の才覚に溺れた「経営者」が陥りやすい落とし穴

 

ここで少し考えてみたいことがあります。それは、成熟の今の時代の競争のあり方についてですが、時代がいかような「別品」を求めているかということですが、結論から言ってしまうと、それは未知なるものでより以上の良いもの一番のものが求められているということであり、ここに戦略の基軸があります。

今的の潮流からいうとやはりAI人工知能)がすぐに思い浮かぶのですが、この分野でチャンスを持とうとするならば、知識を持つ有能な人材を少しでも多く獲得することが必要です。スティーブ・ジョブズであれば、カリスマ性と破格の報酬でもって上手に人材を集めて、あっと驚くような「別品」を創り上げることになるのでしょう。

ジョブズと言わなくとも、グーグルやマイクロソフト、日本ではトヨタやソフトバンクなどの多くの世界企業が必死で現に抱え込みにかかっています。とは言え、何もAIでなければビジネスチャンスがない訳ではなくGEのジャック・ウェルチの基本戦略である勝てない市場は避けて「強み」が活かせきる「勝てる市場に集中すればよい訳なのです。

「一番になる戦略」は基本中の基本ですが、そのためには「誰も行っていないこと」もしくは「行おうとは思わないこと」を行うことで、それも抜きんでた技術をもって、大手企業にとっては魅力がさほどない中規模程度の市場に経営資源を集中して独占するなどは非常に効果的なことです。日本では、そんな戦略により安定収益を実現している企業があります。

大型船のスクリューに特化して世界トップシェアを誇る「ナカシマプロペラ」や、また水族館の水槽の世界でトップシェアである「日プラ」など高収益の企業もあり、トップの特別の技術を磨くことができれば勝つこともできます。さらにネット販売であれば日本だけでなく全世界の顧客ともつながり少人数の企業であればマニアックであることでむしろ可能性を広げます

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