己の才覚に溺れた「経営者」が陥りやすい落とし穴

 

ここで、少し「但し」の話を入れて補足を行いたいと思います。

経営者のあふれんばかりの熱意でもって人のやらない技術を完成し、その分野では追随を許さない地位を得たのに、いろんな障害が発生して倒産間際の状態にまで追い込まれる企業もあります。そんな企業には、経営者にある共通したマイナスの性癖があるのです。

その性癖とはなんでしょうか、それは己の才覚に溺れてしまうことです。自身の能力と考え方に扁重し過信して、マネジメントの存在を顧みません。経営の神様の松下幸之助さんは「わからなければ、人に聞くことである」と「衆知」を「知恵の源泉」とし、本田宗一郎さんは自身の弱点である営業と経営を、価値観が共有できた藤沢武雄さんに会社実印を預けて任せ切っています。

ある会社のことですが、経理が信用できるからと税理士に助言を求めず、あまり知識を持たない「気の良い身内」に任せ切ってしまったのです。すると、業績が良いものだから銀行に借入をすすめられ、不要な土地は買うわ、過剰な役員報酬を支給するわで、気が付いた時には多額の借入金と利息がふくらみ、途端に銀行の融資が打ち切られてしまうことになりました。

常に言えるのは、己が抜きん出ているだけではいつか限界が来るということです。成長できる企業は、当然のことながら人材の重要性を知っている経営者がいます。成長できた企業の経営者は、優秀な人材を育て、また引き付けることに意を注ぎ、ミッション(使命)および理念(コンセプト)を浸透させています。

http://i.mag2.jp/r?aid=a5a263dee7c6af

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戦略経営のためには、各業務部門のシステム化が必要です。またその各部門のシステムを、ミッションの実現のために有機的に結合させていかなければなりません。それと同時に正しい戦略経営の知識と知恵を身につけなければなりません。ここでは、よもやま話として基本的なマネジメントの話も併せて紹介します。

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【著者】 浅井良一 【発行周期】 ほぼ週刊

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