「体に良い」のに、なぜマズいのか? 武田教授が語る「食べ物」の嘘

 

「美味しいものを食べることが大切

ところで、草食と肉食がいれば、その中間の雑食というのも登場する訳で、私たちヒトも雑食と言われています。でも、厳密に考えると「雑食」という動物はいないと言ってもよいのです。その理由は「雑食動物で草を消化できる動物はマレ」だからです。ウマやウシは草食動物ですが、基本的には「草」を食べていて、果物や大根のような根ものは食べません。それに対して人間は雑食と言われますが、食べる植物は果物と野菜根もの」にほぼ限定されています。つまり「草」を消化できないのですから、雑食とも呼べないのです。

動物というのは自分の体をつくり、エネルギーを得るために食べますし、植物にしても動物にしても「他の命をいただく」ということでも何を食べても同じです。つまり動物は「他の命をいただいて自分の体の中で消化(バラバラにする)し、改めて自分に必要なものを合成して生きる」というものだからです。

人間は草を食べても美味しいとは感じないのですが、それは「味覚」が「人間に必要なもの」を見分けるからです。人間には栄養学とかテレビなどがありますから、「これは栄養がある」などと言われますが、動物はそんなことは分からないので、味覚で自分に必要なものを見分けます。

もちろん、人間も正常なら「美味しいものを食べることが大切で、「あれが良い、これは体に良い」等という知識は本来はムダなのです。最近50年ほど、テレビや雑誌などで健康と食材のことが繰り返しでますが、本当に食べてまずいのに健康に良い食材というものがあるかどうか不明です。

食品に興味のある人、食事を作る人は「ライオンにベジタリアンはいない」、「ライオンはいつもゴロゴロ寝ている」ということをよく考える必要があるでしょう。(次号に続く)

image by: Shutterstock

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中部大学教授の武田邦彦です。主に環境問題や資源に関して研究を行っております。 私のメルマガでは、テレビや雑誌新聞、ブログでは語ることが出来なかった原発やエネルギー問題に鋭く切り込みます。

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