「体に良い」のに、なぜマズいのか? 武田教授が語る「食べ物」の嘘

 

大気中の二酸化炭素を食べる植物が誕生して繁栄すると、二酸化炭素から光合成で体を作るのは面倒なので、二酸化炭素を食べる代わりに命(植物)を食べるというサボりが出てきます。それが「動物」です。昔は大気中に二酸化炭素が多く、植物が繁茂していましたので、動物はドンドン植物を食べることができて、恐竜のような巨大な体を持つ動物も出現しました。

そのうち、さらにサボりが出てきて、植物を食べて自分でタンパク質などを作るのは面倒だとばかり、ほぼおなじ体の構造をしている動物を食べる「肉食動物」が誕生しました。その一つがライオンです。

アフリカの草原にはライオンと、そのそばにいつも餌になるヌーというウマのような草食動物がいます。ヌーは「土に生えていて動かない草」を食べますので、食事は楽ですが、草には蛋白も少ないので、草を過剰に食べないと必要な蛋白アミノ酸を摂ることができません。そこで「食べ過ぎては走ってエネルギーを消耗し、自分の体を作る蛋白の原料となるアミノ酸をやっと摂る」という大変なことをしなければなりません。ウマがいつも走っているのはそれが原因しています。

一方、ライオンは走って逃げる獲物を獲らなければなりませんので、狩りは大変ですが、ひとたび獲物を手に入れると自分の体とほとんど同じものでできているので、あとは食べるだけでよく、食べるとゴロゴロしています。ヌーが走り、ライオンが寝ているのは草食と肉食の違いが生活に表れていると言えます。

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