【書評】カギは江戸時代。中韓が未だ日本に追いつけぬ根本的理由

 

江戸時代は世界の先端にいた。それにもかかわらず、日本人の多くは江戸時代というと、封建制度のもとにあった暗い時代だという先入観にとらわれている。「明治維新」によって「文明開化」がもたらされた、と。わたしもそうだ。だって、そう教わってきたし、中学社会の教師になったらそう教えて来ただろう(ならなくてよかった)。

この偏見は薩長勢力の明治政府が作ったものだ。新しい御代を宣伝するために、徳川時代を暗かった時代として否定した。「それに加えて、その後、マルクス思想にかぶれた知識人や学者が、封建時代を暗黒の時代として、マルキシズムの型紙に合わせて歴史を乱暴に裁断してしまった」と加瀬が説明する。

72年前に、朝日新聞と狂気に取り憑かれた軍人たちが、日本精神さえあれば「神州不滅」だと叫んで「一億総特攻」をあおりました。護憲派は「平和憲法」さえあれば、日本は不滅だと説いているけれど、72年前に「一億玉砕」の道を突き進んでいた、恐ろしい亡霊が全国をさまよっているとしか思えません。祈りや精神力だけでは、日本を守れないのです。

まさしくその通りですね。

この対談では、知られざる江戸時代のすごさ、素晴らしさが次々と展開されて非常に興味深い。世界一の繁栄と清潔さを誇った江戸。今日の日本文化の形は江戸時代につくられた。西洋がルネッサンス以来目指した新たな社会の到達点が江戸時代にあったのかもしれない。江戸時代があって本当によかった。

編集長 柴田忠男

image by: Shutterstock.com

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