日本のメディアは終わっている。にもかかわらず幸福度が高い理由

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世界中から優秀な人材が集まり、物価が年々高くなっているシンガポール。幸福度が低いのは物価高が理由であるのに対し、不動産価格が何倍にもなり巨大資産を相続できることは幸せだと説くのは、メルマガ『田村耕太郎の「シンガポール発 アジアを知れば未来が開ける!」』の著者で元参院議員の田村耕太郎さん。そして日本の幸福度が高い理由とは…? 

シンガポールの幸福度が低いのはいい国だから

シンガポールの幸福度の低さについては勉強会のランチタイムで議論になった。 議論相手はタイラー。 後にあの有名な経済史学者タイラー・コーエンと判明して焦らされたあの彼だ。 彼と一致したのは「シンガポールがいい国だから幸福度が低くなる」ということ。

シンガポールの幸福度の低さは世界から人とお金が集まってくることにある。 これが物価を上げ、資産価格もあげ、人口密度もあげて、国民に「10~15年前の方が物価も安くてよかったねー」と思わせているのだ。

ただ、実は20年前に比べて不動産価格は何倍にもなっていてこれは相続税がないシンガポールでは非常に大きな資産で、今不満を持っている世代の多くもこれからそれを無税で引き継げるので実は幸福なのだが、人間という生き物は目先の不満が将来の巨大相続より上回ってしまうので、どうしても不満たらたらだ。

外国から押し寄せる高度人材が多くの高所得な仕事を奪っていくので、彼らと戦うためにも強烈に競争しながら勉強しないといけない若者も、インターネットで色んな情報が入ってくる中で勉強ばかりするのはつらい。 そして英語ができるだけに日本の若者とは段違いに色んな情報が入ってくる。

シンガポールが日本のような閉じた国で言語が特殊で子弟の外国語での教育機関も手薄でそこに住んで働く魅力がない国だったらこんな不満は起きないのだ。

いい国でしかも小さいから、入ってくる人材や資金のインパクトは大きくなるのだ。 タイラーとは「これは解決するのが難しい問題だけど、実はとてもいい国だという証拠である」との結論となった。

英語が読めない日本の識者は明るい北朝鮮とかぬかしているが、こちらの英語のニュースを新聞やテレビで見てみろ!といいたい。 基本的に人種と宗教以外は完全になんでも報道されている。

日本の論説委員とか評論家とかテレビ司会者の大半(というかほとんど)は英語が全くダメ。 世界の一次情報に触れられない人物がこれだけメディアに影響力を与えている国は他にはないと思う。 一次情報というか分析能力の問題でもある。 情報音痴なら、せめてなぜまともな仮説が立てられないのか?日本のメディアは、終わっている。 ずれている。

 

image by:Shutterstock

 

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『田村耕太郎の「シンガポール発 アジアを知れば未来が開ける!」』より一部抜粋

著者/田村耕太郎(前参議院議員)
早稲田大学、慶応大学大学院、デューク大学法律大学院、エール大学経済大学院を各修了。シンガポールを拠点に、歯に衣着せぬ鋭い論調で「日本の良い箇所・悪い箇所」を指摘するメルマガは、世界で勝負したいという人必読。
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