今年も2日ズレる。中秋の名月が必ずしも満月とはならないワケ

 

さて、今年の中秋の名月は10月4日、満月は10月6日で「名月と満月が一致しない」ということをちらっとだけ書きました。なんとなく「中秋の名月=満月」と思いますよね。これは、それぞれを決める暦のシステムが違うから起こるズレです。

まず中秋の名月は、太陰太陽暦、昔の月の動きをもとにした暦」に基づきます。
中秋の名月は、この暦での「8月15日」の月です。そしてこの暦では「新月の日が1日」になります(正確には「新月の瞬間を含む日」です)。今年はそれが9月20日に当たるので、そこから15日後になるのが10月4日です。

一方、「満月」は太陽・地球・月の位置関係で決まります。具体的には

 太陽  地球  月

となっている時です。太陽と月が地球を挟んでちょうど反対にあり、月が太陽の光を真正面に受けてまん丸に見えます。

月は地球の周りをおよそ29.5日で回っています。新月から新月までが29.5日ということです。ならばその半分の14.75日、四捨五入したら15日で満月になりそうなものです。

ところが天体の軌道は円形ではなく楕円です。地球の遠いところではゆっくりと、近いところでは速く動くことになります。そのため、新月から満月になるのがちょうど半分にならず、おおよそ前後に1日分ぐらいずれます。今回はどちらかというと長めの最大値に近い、15.5日ほどかかって満月になります。

そういうタイミングだったので、中秋の名月よりも満月が2日ほど遅れる、ということになってしまうのです。

太陰太陽暦、大雑把には「旧暦」と呼んでいるものですが、明治時代に日本で太陽歴(グレゴリオ暦)が採用されて以来、公式な暦ではなくなったので、正確な計算をしている公的な機関はありません。

旧暦では、先ほども書きましたが月の周期を元にしていて、1ヶ月は29.5日です。1年は約354.4日で、約11日ほど少なくなります。3年経つと33日ほどになる、おおよそ1ヶ月以上もずれてしまいます。そのため「閏月」を入れて、年間13ヶ月の年を作る必要があります。

これにもルールがあるのですが、これはこれでなかなか奥深い問題なので、興味がある方はぜひ一度「2033年問題」で調べてみてください。

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