定年制と年金は廃止すべき。「超高齢化社会」を迎える日本の課題

 

第二に、年金の廃止である。定年制がフレキシブルになると、年金制度は損得(働いている人は80歳でももらえないことになり退職を促進することになる)が生じる。そこで、「日本人はできるだけ自分で働き、額に汗して生活をする」という原理原則をたて、教育を行い、社会常識化する。その上で、「病気や老齢で働けない人は個別の審査をへて生活保護を行う」とする。

この生活保護は、単なる金銭だけではなく、家事サービスなどの肉体的支援を伴う。それによって国民誰でも「体が丈夫なら自分で働き、何かの不都合が起きたら社会の支援を受ける」という安心した人生を送ることができる。

第三に「地方の時代」と言うけれど、政府の仕事は軍事、外交、経済政策、格差補正(地方によって経済力の格差が生まれるので、それを全体として補正する)などに絞り、地方自治でほとんどの政策を進めるようにする。

これには国会議員の数を都道府県数の47名かその倍数ぐらいにして地方自治に有能な政治家を求め、交通、厚生、労働、一次産業政策などを担う。交通など多数の都道府県に関係するものは知事が中心となってその地方で経費を分担する。

また福利厚生、病院医療、教育などの問題はそのすべてを地方自治に委ねる。このことによって東京、大阪などの大都市に偏することなく、日本国土を有意義に使うことができる。有能な知事のいる県は、交通、厚生、労働、林業、農業などが盛んになり、多くの人が集まることになる。

ここまででおおよそのイメージがつかめたと思うけれど、いわゆる「高齢化問題」というのは「望ましい社会に向けての政策が大幅に不足した結果に起こった社会問題」であることが分かると思う。

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武田邦彦メールマガジン「テレビが伝えない真実」』より一部抜粋

著者/武田邦彦(中部大学教授)
東京大学卒業後、旭化成に入社。同社にてウラン濃縮研究所長を勤め、芝浦工業大学工学部教授を経て現職に就任。現在、テレビ出演等で活躍。メルマガで、原発や環境問題を中心にテレビでは言えない“真実”を発信中。
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