【売り手市場】就活前に知っておきたい業界の裏情報(公認会計士編)

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売り手市場の会計士リクルート戦線の越え方

『六本木の公認会計士いきぬき(生き抜き)』2014/10/06より

1.将来キャリア希望と法人選択

売り手市場のリクルート戦線を迎える新読者が不安なことは2つ。

一つは、無事に試験に合格しているかどうかで、もう一つは、監査法人で希望のキャリアに就けて一人前の公認会計士として活躍できるかどうか。

以前よりも面接回数や志望動機が丹念に聞かれるようになって、面接負担が大きくなった監査法人の就職戦線だけど、内定が出るかどうかを気にしているような人は少ないでしょう。

もちろん、リクルート担当パートナーたちもきちんと人物を選びたいという意見を述べています。しかし、数年前と違ってその言葉の端々には人事から求められている採用数を集められるかどうかという点に関心がいっています。

リクルートは今や受験生に対する法人の宣伝活動であり、いかに受験生から人気を得るかがプロジェクトのサブ目的となっています。法人宣伝合戦の再来です。

今年の新読者向けの記事はこの点を考慮して、各法人の宣伝を批判的に検討するとともに、実際にマネージャークラスになった僕の同期たち目線でリアルな体質やキャリアの実績を伝えます。

なお、それでも誰でも彼でも内定を出すとは言っておらず、相変わらず面接は複数回実施しする実情ですから、対策をしておきたい人は以前から伝えている過去の記事を参照してください。

http://www.mag2.com/archives/0001282971/2012/

こちらで、2012年の9月から11月まで読めば大丈夫。

売り手だからといって余裕でいると、リクルート担当パートナーは「内定出すのは二人に一人くらい」と言っていますので「希望の法人から落とされちゃった」なんてことになりかねません。

これで、監査法人独特の特徴を考慮したその対策集を読んで練習しておけば、スペック(受験回数、学歴、年齢等)が不安でもきちんと内定を得ることができると思います。

■ 正しい思考の順番

就活に際しては、月並みながら志望動機と自己PRの2大作文をすることでしょう。もう取り掛かることをお勧めします。これを作りながら、自分が本当にやりたいことも見えてくるものでしょう。

ここで、監査法人就活の志望動機では、公認会計士という職業に対する志望動機のほか、入社したい監査法人に対する志望動機があります。

もちろん、希望の監査法人から内定を得やすい様に嘘も含まれる好かれやすい志望動機を組み立てるのは就活の常でして、そうしたお化粧は迷わずに実施すべきです。

一方で監査法人側も受験生に対してお化粧したキラキラのキャリア情報を流して人気を得ようとしてくるものです。パンフレットはその結晶ですよね。

さて、しかし論文式試験を終えてそれなりに時間を経て休暇をとった皆さんは、より深い自己分析をして志望動機を見つめなおすべきです。

その正直な志望動機を叶える手段として活躍するフィールド(専門分野)をイメージして、合致する監査法人と部署を選択していきます。

もちろん綺麗ごとだけではダメで、法人や部署の選択により会計士としての待遇(年収、多忙さ、転職価値等)が徐々に異なってきます。

そうした法人・部署選びに迷ったら、こちらで2013年10月から12月まで読めば参考になるはずです。
http://www.mag2.com/archives/0001282971/2013/

過去記事参照ばかりで恐縮ですが、既存読者は繰り返し同じ内容を出されても面白くないでしょうから、各自で必要な人だけ読んで下さい。

■ ダメな志望動機例:リクルーターの感じが良かったから・・

僕が監査法人に勤めているとき、監査チームや部署で「どうしてこの監査法人のこの部署に入ってきたのか」と質問をよくしていたものです。

その時、一番多い回答は「リクルーターだった○×さんが感じがよかったから」とか、「リクルーターの皆さんが親切で・・」とか、思いのほか法人というよりもリクルーターをみて決めてきた人が多かったのです。

そうして、親しく接してくれる先輩と話しているうちに、先輩と同じようになりたいという感情が芽生えて同じ部署でチームを希望していく。

メルマガでたびたびいうように、人間は一緒にいる人々に染まる社会的な生き物であり接する人に知らないうちに影響を受ける。

これは、望ましくない志望動機のもっとも典型的なものといえましょう。

事実、周囲を見渡してみて、そうした回答を僕と会話していた面々は全員キャリアに行き詰っているといっても過言でもありません。

人間として同調するのは当たり前ですが、戦略的なキャリア形成にとって大事なことは一緒にいる人に憧れたり、それを目指すことではなくて、先に目標があり、次に一緒にいる人を選ぶ順序の違いが分かることでしょう。

■ 監査法人の就活リクルーターという人々

ここで、多くの受験生がたいへん影響を受ける、監査法人やその他の就職先との接点。法人のリクルーターという人々はどんな先輩方なんだろうかという点、簡単に書いておきましょう。

彼らのチーム構成は、リクルート担当パートナーが数名。担当パートナーは人事を所轄する執行部のメンバーや、ないしは法人の将来を担う出世コースの人物が定番。

その下にマネージャーが付きますが、この人が実質的な現場責任者(インチャージ的)で、リーダーシップがありスタッフに人気のあるタイプのマネージャーが就任します。

そして、以下、シニアスタッフ・スタッフが10名から20名程度アサインされますが、彼らもまた明るく社交的な性格の人であるという必要条件を満たす人物になります。

東京事務所や大阪事務所といった大都市の事務所では、部門横断的に若手がアサインされるのでこうしたプロジェクトを通じて社内人脈の基となることが多く、なかなか将来有望な面々が集うのがリクルートチームでしょうか。

担当している監査クライアントもまた各部署のメインとなるチームから輩出されることが多くなり、受験生のあれこれ聞きたいニーズに対応します。

毎年新年あけ頃に、その年のリクルート担当のシニアあたりが集められて、アサインできそうなスタッフを話し合いして、個々に「リクルートやんない?」と声掛けをするか、部門メールで希望者を募る形で招集されます。

このメルマガで言うところの「王道派」の卵たちで、先輩や上司受けのよい面々でもありましょう。

平均コミュニケーション能力が低い監査法人において、彼らはどちらかというと一般企業でもやっていけそうな面々の集合であり、監査法人の中の平均的な像ではないのですよ。

■ 親日とトーマツの比較

今回は考えて貰いたい事項として「親日とトーマツの比較」を書いていくことにしました。

ほら、会社法の論文式試験で機関比較とか会社比較を通じて制度理解を深めるあれと同じ発想からです。業界でのキャリアを理解するためには、親日とトーマツを比較して読ませてあげれば近道だと感じるんですよね。

目的は、新読者のリクルート記事として2014年は就職後のキャリアに繋がるように奥行のある情報を流したいとの思いから、法人選択によって広がるキャリアと遠のくキャリアが純然としてあることを実在モデルで説明することでしょうか。

もちろん、実在モデルは太郎の受験仲間や合格同期、それから面倒をみた後輩たちを参照しているものです。

『六本木の公認会計士いきぬき(生き抜き)』2014/10/06より

つづきはバックナンバー(2014年10月分)をご購入の上、お楽しみください。

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『六本木の公認会計士いきぬき(生き抜き)』
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