ここまで流星の観察の準備を書いてみましたが、「観測」という、少し本格的に取り組んでみたい、という気持ちになった場合、どうしたらいいでしょうか?
観測と聞くと難しそうだな…と思われるかもしれません。確かに、「きちんとした観測」となると、一定のレベルが要求されますね。でも、誰もいきなり最初から「きちんと」はできません。少しずつやって上達して、ようやく「きちんと」できるようになるわけで、やらないままならずっとやれないまま。これはどんなことでも同じですね。
まずは、今までに書いたような準備をしっかりして、流星を1個でも2個でも見てみましょう。そこがスタートです。見たことを後に残しておきたい…という気持ちになれば、そこからが「観測」です。
いろんな観測があります。昨日までの準備プラスαぐらいの用意で、誰でもすぐに始められるのが眼視観測です。観測者の能力が求められるものですが、やっていくうちに上達するもの。最初は見間違いや不正確なことがあっても、そこを乗り越えていこうという気持ちが大切です。
機材があるのでしたら、写真観測やビデオ撮影観測、というのもありますね。最近はデジカメもずいぶん普及しましたし、高感度での撮影でも昔よりずっとずっと画質がよくなってきました。自分の目では見えなかったものや見逃したものも、しっかり記録してくれますし、何より客観的な画像は正確な観測結果として使えるのがありがたいですね。眼視観測とセットで使うとさらにいいでしょう。ビデオは流れていく様が残るとかなり嬉しいでしょう。
写真でもビデオでも時計をしっかり合わせておくと、流星が発生した正確な時間が記録できますし、本当に重宝しそうです。ビデオは音声も残せますから、「あ、流れた!」という声も入りますね。
今回は観測の手法としてこんなのがありますよ、というところまでで止めておきます。まずは「観察」してみて、流星を自分の目で見てみてください。そこに感動して、さらにもっと見たい、残したい、という気持ちになった時には、ぜひ色々検索して、調べて、自ら試してみてください。それは科学する心そのものだと私は思います。
初めて流星の観察をしたのは、中学2年の時だと思います。夏休みの自由研究に流星観測を選びました。誰も指導者がいなかったので、本で色々自分で調べて、色々用意して、2時間か3時間、椅子に座って首が痛くなる思いをしながら観察しました。
今でもその時の星空は忘れません。街中の空ですから決して綺麗な空ではありませんが、一生懸命やったことというのは一生残るものですね。
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