現役警察も嘆く、自転車を使った悪質な「当たり屋」に有利な制度

 

Tさん:過失割合はワゴン車の運転手の方も弁護士と一緒に戦いましたが、結果的に6:4となったそうです。お互い走行中の事故でしたから、10:0みたいなことはなりませんけども、当初の7:3から一歩踏み込めた形だったようです。

吉田:うーん、うーん、それでもクルマ側は納得いかないですよねぇ。自転車側は自賠責保険を活用して最大120万円まで得られる保険金をまず得ているわけですし、それが治療費として使われています。自分が後方確認せずに車線変更したことで後ろから追突されておいてケガしたのに保険適用からの治療費仕事の休業補償も行われている。

これじゃあ当たったもん勝ちですよ。チャリテロとしても最もやりなれた人間しかできない所業な気がしてならない。

Tさん:あ、まだ私の方から吉田さんへ伝えていなかったことがありました。この自転車の方が乗っていた車両がですね、1台38万円で購入されたチタンフレーム製か何かの限定版モデルだったようで、新車購入してまだ2ヶ月も経ってない自転車とのこと。一方でワゴン車の方は8年ほど乗っている型落ちの車両でして、自転車の修理費は全損ですので38万円で購入してから2ヵ月経過したことを差し引いても2割マイナス……とかおっしゃっていたでしょうか、30万円ほどの修理費用。

ワゴン車の修理費用は左前方バンパーがへこんだだけですので修理費用は3万円。

吉田:これって……自転車の修理費用の方が高額だから……過失割合で勝負してもお互いの修理費用を合算して33万円。つまり、6:4の場合はワゴン車の運転手は6割負担で、自転車は4割負担。しかし、高級自転車のおかげで自転車の修理費用が断然高額になっているので、ワゴン車の方は自分自身で修理すれば3万円で済みますけど、自転車の修理費用も負担しなくてはいけない結果ですので……これは釈然としませんよねぇ。

Tさん:そうなんですよ。ワゴン車の方はその費用負担も不愉快すぎて裁判まで持っていけば少しでも過失割合が変わってくれるんじゃないかと考えたそうなんですけどね。結局、月額の車両保険負担額が増えてしまうのがバカバカしいとのことで、ご自身のワゴン車は車両保険を使わず運転手自己負担で賄ったそうなんですが、ワゴン車の運転手の方は任意保険の対物賠償を使って高級自転車の修理費用負担を適用させたそうなんです。しかし、その高級自転車はイタリア製だったかの限定仕様でしたのでもう購入不可能ということで、自転車の方には現金で支払われたと。

さらに続くのですが、自賠責保険で120万円のケガに対する治療費を負担しましたが、首をケガしたとのことで病院治療が長引いてしまい、120万円を超えてしまったことから、こちらも対人賠償を任意保険で賄い、最終的に300万円ほど支払われたそうです。

まだ続きがありまして、自転車の方は首を痛めたということから3年経過した今も病院へ通っているようです。自賠責保険で適用される後遺障害による損害も適用されているようで、その等級まではお聞きしてませんが総額で500万円以上自転車の方は保険金を得ているようなことをおっしゃってました。

吉田:ほんとクソ野郎ですね。一体いつまでこんな古臭いままの昭和で時間が止まった状態な法律を適用しているんでしょうか。もう怒りが僕も頂点に達してしまいますよ。

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