じゃあ次に記録を訂正した時に既に65歳以上で老齢基礎年金を受けていた場合はどうなるのか。
平成25年7月1日法改正時点で既に老齢基礎年金受給者であり、平成25年7月1日以降に記録訂正された人(特定受給者という)については記録訂正で不整合の第3号被保険者期間から第1号被保険者期間となって、時効消滅不整合期間による未納期間が生じても平成30年3月分までは今まで通りの年金額が支払われます。つまり、平成30年4月からは本来の記録訂正分での年金支払いになる。ただし、減額率は最大10%。
例えば今まで、400ヶ月分の老齢基礎年金649,416円(←779,300円÷480ヶ月×400ヶ月)を受けていたとします。平成25年8月に過去80ヶ月分の時効消滅不整合期間が判明した。この80ヶ月は追納しないとする。平成30年3月までは老齢基礎年金649,416円が支払われる。平成30年4月からは時効消滅不整合期間80ヶ月を除いた320ヶ月分の老齢基礎年金として支給される。
となると、779,300円÷480ヶ月×320ヶ月=519,533円に減額となるが、減額率は最大10%までなので649,416円-649,416円×10%=584,474円の支給が保障される(9割保障)。だからちょこっと国民年金保険料を追納しても増額しない場合があります。なお、追納した方がいいのかどうかは年金事務所にて説明されますので、その上で追納するかどうかを決めましょう。
※補足
既に障害年金や遺族年金を受けている人で時効消滅不整合期間が判明しても、未納期間として扱わずに保険料納付済期間として今まで通り障害年金や遺族年金は保障される。ただ、時効消滅不整合期間を追納しないとなると老齢基礎年金が低くはなりますね。
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