台湾地震、「日本の救援は拒否された」とでっちあげる中国メディア

 

こうした天災があるたびに日台が相互協力しあう姿は、中国には目障りなことに映るという話も先週しました。中国の歯ぎしりは、捜索が打ち切られ、台湾のメディアも地震のニュースは一段落し、ニュースのメインは春節の話題に移行してからも続きました。花蓮県は、中国が友好都市として挙げている数少ない国民党系の街です。だからこそ、地震の第一報が流れた直後には支援の申し出をしました。以下、報道を引用します。

地震発生翌朝の7日午前、中国で台湾政策を担当する国務院台湾事務弁公室は花蓮県の県長に直接電話し、「両岸(中台)の同胞の血は水よりも濃い」と救援隊の派遣を申し出た。中国政府は16年5月の蔡政権発足後も、花蓮など国民党系の8県・市には観光や農産品購入で優遇策を取っている。

 

これに対し、蔡政権は「海外の援助は必要ない」謝絶したが、日本からの救援隊は「台湾より高性能な生命探知機があり例外だ」として受け入れを表明、東京消防庁や海上保安庁などの専門家が花蓮を中心にビル倒壊現場で人命探査装置による捜索活動を始めた。

台湾東部地震、日本・中国本土と台湾の「距離感」くっきり、思い寄せてくれた国は日本が75%と最高

とにかく、この態度が気に入らなかったのでしょう。捜索活動の動画を都合のいい部分だけ抜き取って、日本を批判するようなフェイクニュースまででっち上げる熱の入れようです。以下、報道を引用します。

2月13日、中国の環球時報(電子版)は、台湾東部地震の被災地救援で、日本から派遣された捜索チームが「危険な場所には入れない、とたびたび訴えていた」と伝えた。

 

(中略)

 

環球時報は「日本チームは8日昼に現地に到着したものの、積極的に捜索に加わらず、10日は任務を切り上げて台湾を離れた。日本側は『機材を提供し、台湾の人たちに使い方を指導しただけ』と説明している」と報じた。

 

さらに、中国のテレビ局・東南衛視の記者は、ネット上に「台湾の消防隊が日本の救援チームに『あなたたちの機材の使うのに私たちは慣れていない。現場に入ってくれないか』と頼んだにもかかわらず、日本側は『危ない場所には入れない』と拒否した」と伝えた。

 

これを受け、環球時報は「台湾の与党系メディアは日本に気を使い、一斉に『台湾側の人員不足で、日本の好意を断らざるを得なかった』とかばい始めた」と報道している。

 

なお、中国版ツイッター・微博(ウェイボー)では、日本側が台湾側とのやり取りで「危険な場所には入れない」と話している様子を撮影した動画が多数転載されている。

台湾地震、日本の救助隊は危険な場所には入らなかった?中国でネガティブ報道

安倍首相のお見舞いメッセージにケチを付けて、「蔡英文総統閣下を削除させただけでは気がすまず、こんなデタラメまで流すとはあきれてモノが言えません。賢明な読者は、危ない地域には捜索に入れないとの決断もあって当然だとのコメントを残していますが。こんな不毛なことをする労力のほんの少しでも、花蓮の観光業回復に役立てて欲しいものです。

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