調査は、「婚前交渉はダメ」というのに同意するかどうかという質問をして、「ダメな人」の割合を年齢と調査時期別に整理をしています。そうすると、とても面白い結果が出たのです。
40歳の人の回答を見ると、1973年にはダメが80%、1983年には50%、そして1993年にはついに20%まで下がっています。つまり、社会が徐々に婚前交渉を認めるようになり、同じ40歳の人を対象にすると、10年ごとに30%ずつ「ダメ」が減ってくるという傾向になったのです。
そんなの当然じゃないか!と思うかもしれないのですが、それがそうでもないのです。
1973年の調査で30歳だった人は「ダメ」が40%でした。次の1983年には最初の調査の時に30歳だった人は40歳になっています。そしてその人たちはやはり40%がダメ、そしてそれからさらに10年たった1993年には50歳になっていますが、やはり答えは40%が「ダメ」なのです。
つまり、調査の年に40歳だった人に焦点を当てると、10年ごとに30%ずつダメが減っていくのに、最初の調査の時に30歳だった人は、調査ごとに40歳、50歳と年齢が変わっていきますが、答えはいつも40%がダメなのです。
つまり、社会全体としては「ダメ」が減っていっているように見ますが、社会の中の一人の人に注目すると、30歳から50歳までまったく答えは変わっていないのです。だんだん、婚前交渉がOKという人が増えているように見えますが、それは高齢者が社会から去っていき、若者が社会に加わることによることがわかります。