蜜月時代の終焉か。トランプが安倍首相を名指しで批判した理由

 

トランプの「安倍批判」は当然

ちなみに今回の記事は、「貿易不均衡」の話でした。アメリカは、「恒常的貿易赤字国家」です。アメリカの貿易赤字、そのほとんどは中国です。しかし、日本は2位なのですね。トランプは、「貿易不均衡を是正する!」「貿易赤字をなくす!」と宣言している。それで、真っ先に批判されるのは中国であり、その次は日本であるはずです。皆さんご存知と思いますが、アメリカは22日、中国製品への制裁措置を発表しました。

<米国>対中追加関税25%、大統領令に署名

毎日新聞 3/23(金)11:08配信

◇中国が対抗措置を発表

 

【ワシントン高本耕太】トランプ米大統領は22日、中国による知的財産権侵害や米企業への技術移転の強要に対抗して、米通商法301条に基づき中国製品に制裁措置を発動する大統領令に署名した。最大で年間600億ドル(約6.3兆円)相当の中国製品に25%の追加関税を課す見通し。

そして、トランプさんは、こんなことをいいました。

トランプ氏は署名に先立ち、ホワイトハウスで演説し、対中貿易赤字は「いかなる国同士の間でも歴史上最大の額だ。手に負えなくなっている」と指摘。「中国の人々や習近平国家主席は友人だ」としつつも、対中貿易不均衡を放置できないとの考えを示した。そのうえで「求めているのは互恵的関係だ」と繰り返し、不公平な貿易・投資慣行の是正を中国に求めた。
(同上)

トランプさんの反応、「出し抜いた云々」を抜きにすれば、ほとんど日本に関する発言とかわりません。繰り返しますが、トランプさんが「貿易赤字」を解消しようとすれば、まずターゲットになり、批判されるのは中国である。二番目は日本である。だから、「批判されても当然だよね」と思っておけばいい。

では、どうするか?

これから、安倍総理と日本はどうすべきなのでしょうか?

中国は、いさましく「貿易戦争を恐れない!」と宣言しています。産経新聞3月23日。

トランプ政権が中国による知的財産権の侵害を理由に通商法301条に基づく対中制裁措置を決めたことに対し、在米中国大使館は23日、「典型的な保護主義のやり方であり、中国は断固として反対する」とした上で、「中国は貿易戦争を望まないが、戦いを恐れない。いかなる挑戦にも対応する自信と能力がある。米国によって貿易戦争が引き起こされれば、自らの正当な権益を守るため、あらゆる必要な措置を講じて最後まで戦う」などとする声明を発表した。

そうはいっても、中国はこれから対米ロビー活動を活発化させることでしょう。つまり、水面下で「制裁措置を骨抜きにする活動」をものすごい勢いでするだろうということです。

日本はそういうことができません。どうすればいいのでしょうか?

まず、トランプ大統領の主張に理解を示す」ことです。そして、「日本政府として、できるかぎりの努力をする」と声明することです。安倍総理は、4月にトランプさんと会う。「それまでに、日本に何ができるかまとめる」といえばいいでしょう。そして口だけでなく、「日本は、アメリカから何が買えるかな?」と実際に検討しなければならない。国がコントロールできるのは、「武器」ですね。日本は、「北朝鮮を攻撃できる武器」を持つべきです。それをアメリカから輸入すればいい。ただ、「対話の機運」が高まっているので、大声でアナウンスしないことが大事です。

もう一つは、シェールガスシェールオイルをアメリカから買うこと。シェール革命によってアメリカはいまや、ロシア、サウジに並ぶ産油国、ロシアに並ぶ産ガス国になりました。アメリカは今、ロシアとドイツを直接つなぐガスパイプライン「ノースストリーム2計画」に大反対しています。「このプロジェクトに参加する企業は制裁する!」と脅迫している。理由についてアメリカ政府は、「欧州のロシア依存がさらに強まるから」と説明していますが。しかし本音は、「アメリカの液化天然ガスを欧州に売りたいだけ」なのです(もう一つ、アメリカの属国ウクライナを守ること)。というわけで、日本政府は、「アメリカから原油、天然ガスを輸入できないか」検討すべきですね。採算にあうのなら、是非とも買うべきでしょう。

いずれにしても日本政府は、「アメリカから買えるものはないかな?」と真剣に検討し、対策を講じる必要があります。

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