今も感謝され続ける「日本人」。遠いウズベキスタンに残したもの

 

皆が教えてくれる日本人とは誰のことを指しているのでしょう

敗戦後、各部隊からソ連軍によって強制的に移送されてきた日本の軍人たちです。極東から貨物列車に揺られてシベリアの地を越え、遠くウズベキスタンの地に連れてこられました。おそらくウズベキスタンでの使役は、初めから重労働を課す仕事が大半を占めていたのでしょう。20代から30代の若者たち約2万5,000人でした。

その日常は、朝になると隊列を組んでラーゲリ(収容所)を出て仕事場に向かい、一日の重労働を終えると再び隊列を組んでラーゲリに戻ることの繰り返しで、祖国日本の地を再び踏めるとの保証はどこにもありませんでした

そのような状況下に置かれた彼らを支えていたのは一体何だったのでしょうか。

それはほかでもありません。「日本人として恥ずかしくないものをつくろう」という一念でした。また、いつ帰れるか分からなくとも、「いつの日か、もう一度桜を見よう」を合言葉に頑張ったと、日本に戻った方々からお聞きしました。

いつ果てるともしれない抑留生活。その中にあって、彼ら日本人は、どんなに辛く厳しい仕事であっても、ともに励まし合いながら、規律を守り、勤勉に、几帳面に、工夫をして、与えられた仕事をやり遂げました。

image by: bmarya83 / Shutterstock.com

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【著者】 致知出版社 【発行周期】 日刊

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