10歳の少女がいじめを苦に遺書まで…探偵が追及した学校対応の甘さ

 

何故そこまでAさんが追い詰められたのか

私はAさんと直接対話をして、彼女が何故そこまで追い詰められたのか考えていた。

小学生など学生は世界観が狭く、学校で孤立することは大人が思う以上に、絶望感がある。その絶望が明確になり、孤立をしたことで、Aさんは強い空虚感を感じた。

ただ、グループのリーダー的存在であったCに、抗議をする勇気もないし、仮に抗議をするにしても、人と争ったことのない大人しい性格のAさんにはどう抗議して良いかわからなかった。

また、その対象はC以外のグループメンバーも同様で、特にB子は助けてくれると期待していた。

ところが、助けはなく、自分以外は楽しい毎日を過ごしていると思うことで、復讐心が芽生え、それが抗議の自殺という方向に向いたのだ。

だから、遺書には、彼女ら一人一人に、「私が何も知らないで、話に入れなかったの、見て、楽しかった? どうして助けようと思わなかったの?」とある。抗議の対象は、直接指示を下した者のみならず、それに従ったり、見て見ぬふりをした相手へも向けられるのだ。

確かにAさんは泣きやすく、大人しい割りに感情がすぐに表情に出るタイプかもしれないし、感受性が悲観的な傾向にあるかもしれない。

しかし、思春期に入ろうとする頃、感受性が高い個性であれば、大人からみれば簡単に死を選択しやすい傾向はあるのではなかろうか。

いじめは大人感覚で軽微だと判断してはならない

人の死は取り戻しができない、リセットもなければ、復活の呪文もないのだ。

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