10歳の少女がいじめを苦に遺書まで…探偵が追及した学校対応の甘さ

 

私はAさん保護者からB子さん保護者への連絡をお願いし、事実をしっかりと伝えてもらった。その上で、B子さんの持っているその他の手紙を閲覧させてもらいたいとお願いした。

初めはやんわりと断っていたB子さん保護者であったが、Aさんに同伴してB子さんと直接話をして協力を要請したところ簡単に許可が出た。

そして、その日の夜の間に資料を整え、私はAさん保護者に付き添って、学校長を訪問し、いじめの対応を行うように話をした。

学校長は担任教員を呼び出し、授業のない3時限目のおよそ1時間ほどを使い、担任を含めて話し合いを持った。担任は、遺書の内容を見て、唖然とし、対応が甘かったことを認めた

また、5人の仲良しグループのリーダー的存在であるCが、担任のことを含め教員らにはこの程度しかできないとバカにしている事実や、Aさんについてはストレスのはけ口でしかなかったことを知り、衝撃を受けていた。

そこで、いじめ防止対策推進法通り、加害者の指導を含めその保護者へも必要な助言などを行い、このような事態が二度と起きないように対策を行うことを約束した。同時に、被害者への支援として、まずはAさんが復帰できるようにクラス内の環境整備と、担任を含めたAさんと関係性がある教職員らが訪問するなどしてAさんに安心してもらうことなどの対策を行うことが決まった。

私が学校長に話したことは2つの質問と1つの確認のみ。

「事実認定については争いがないので、この事実があった場合、学校側が適正に行う対応はすでに開示しているいじめ防止基本指針では何でしょうか?」

「仮にいじめ防止指針通りの対応をしないという場合その根拠は何でしょうか? 保護者の方がきちんと理解できるように具体的に答えてあげてくだい」

「いち教師として、子供が自殺までを考えてしまうところまで追い詰められていた事実を目の前にしたら、それに対応していくことが当然だと思いますが、私の考えは間違っているでしょうか」

証拠と情報の整理が進んでいる場合、とんでもない教師でない限り、この質問と確認をしないまでも、状況を把握すれば、適正如何は別にして、対応をしようとするものだ。

この学校では、それまでの経緯にこそ問題はあるが、介入したことで対応を始めた

4人の相手の内、B子さんとその保護者はすぐにAさん宅に訪問して和解をしたが、それ以外は保護者からの簡単な謝罪の電話のみであった。

AさんはB子さんとグループを抜け、他のクラスメイトらと緩やかな関係を保つということになり、登校をすることになった。

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