対応
その翌日、担任へ朝一で報告をして対処するようにしてもらうということをアドバイスし、私は訪問して状況を整理することにした。
多くの場合、このような状況に至った場合、当事者からの聞き取りを行い情報を整理する必要が担任教員にはあるが、被害当事者が学校を休んでいる場合は、保護者からの情報提供を受ける形となりやすい。少なくとも最も早い日程で担任は家庭訪問をして本人と話をしようとするものだが、この担任の場合、学区内のでの様々な役割があり、訪問の予定はすぐに組まなかった。
そうすると、4対1の意見を聞くことになり、声の小さな1の声は保護者といえど当事者でない以上、人伝ての意見ということになることから、多くのケースで、加害者保護の立場を取りやすくなってしまう。
そこで、私が状況を整理して、わかりやすい報告項目を作ることで、それを回避すると同時に、学校側の出方を見極めて、介入するかしないかと決めることにした。
学校の意見(担任教員)
- 4人から話を聞いたが、その手紙は遊びの一環で、悪気はないようです。
- とても反省しているので、指導をして帰宅させました。
担任はいじめを否定しつつも事実として手紙が頻繁にやりとりされていたことを認めた。
いじめの定義上、これは、「一定の人間関係」「なんらかの加害行為」「被害側の心身の苦痛」の3つの条件が整い、いじめとなる。
しかも、被害児童自体が遺書を書くほど追い詰められていたということから、早急に支援が必要な事案と判断するのが普通だが、この教員は、いじめ対応をしないという方針であった。
この状況を受け、この段階ですぐさま証拠を集めておき、後に行為否定されても証明できるようにしておく必要性がある。というのも、多くの隠蔽はこの先で起きるからだ。