えっ、「読書」?体動かさないし、一人でするもので会話もないし…と、半信半疑。それは、名だたる研究者の方々も同じで、この結果を聞いて、みなさんから「お~」と驚きの声が。質問への回答を健康要素(自分は健康だと回答している人の回答)不健康要素(自分は不健康だと回答している人の回答)に分け、各回答がどちらに結びついているかを調べているのですが、読書(本や雑誌を読む)は、健康要素119と結びつき、不健康要素0という完璧な健康要素なのです。運動、食事に比べても断トツなのです。
で、本当なのだろうかと全国で一番健康寿命が長い(男性1位、女性3位)「山梨県」を調査。実は、なぜ山梨県民の健康寿命が長いのかは県の担当者も分かっていなかったのです。そこで分かったのは、驚くべき結果です。なんと、山梨県は、人口に対する図書館の数が断トツで全国1位なのです。人口10万人に対する図書館の数は全国平均が2.61のところ、山梨県は6.59なのです。さらに、山梨県は、図書館司書の普及率が全国トップクラスで、戦後早い時期に学校に司書を配置し、子どもの時から読書の習慣を身につけさせているのです。これに対して、運動の実施率は、山梨県は全国最下位だと言います。読書と健康寿命が結びつきました。このAIの分析を聞いて、山梨県の健康福祉課の職員の方々もびっくり。
この理由を専門家が推測しています。
- 図書館に行って本を探すことが運動になっている
- 知的な刺激を受けている
- 過去の記憶を呼び覚ますことにつながる
- 読書によって心が動き、それが行動につながる
- そもそも、本を読むということは、それだけの活力があって、知的好奇心があるということ
等々です。この結果を受けて、調べると、読書をしている人と、しない人とでは平均寿命が2歳以上違うという論文があったり、なぜかわからないけど、図書館の近くに暮らす人は、要介護リスクが低いという調査結果があった…といいます。行政としては、図書館をつくることで要介護を減らせるなら、介護や医療に比べて、格段に安い費用で対策できる…と注目することでしょう。今後、図書館整備が進みそうです。