むろんその過程では、技術の盗用、模倣問題も少なくない。日本企業が中国などに進出して警戒するのは、技術の模倣だ。ただ、巨大なマーケットで似た技術があちこちで応用されれば社会の発展のスピードも早くなる。何せGDPは日本の2.5倍、アメリカの6割という巨大な国内マーケットを持ち、毎年50万人近い留学生が帰国して起業を争っているお国柄なのだ。最近は逆に中国市場で広がる技術が世界のグローバルスタンダードになるという現象すら起きている。
しかも中国政府はこうしたオープンな技術開発競争を奨励しているので進化のスピードと広がりは、とてつもないわけだ。
主要国の研究者数と研究資金で比較しても中国は2002年に日本を抜き、2011年にアメリカを抜いた。研究資金でも日本の2倍以上でアメリカに近づきつつある。IT大国としての中国を見誤ってはいけない。(財界 2018年9月25日号 第479回)
※ブログには2018年8月15日付けの国別社数の表を掲載しておりますので、興味をお持ちの方は合わせて参照下さい。
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