中国の「IT化」をナメるな。これから日本企業が最も警戒すべき点

 

むろんその過程では、技術の盗用、模倣問題も少なくない。日本企業が中国などに進出して警戒するのは技術の模倣だ。ただ、巨大なマーケットで似た技術があちこちで応用されれば社会の発展のスピードも早くなる。何せGDPは日本の2.5倍、アメリカの6割という巨大な国内マーケットを持ち、毎年50万人近い留学生が帰国して起業を争っているお国柄なのだ。最近は逆に中国市場で広がる技術世界のグローバルスタンダードになるという現象すら起きている。

しかも中国政府はこうしたオープンな技術開発競争を奨励しているので進化のスピードと広がりは、とてつもないわけだ。

主要国の研究者数と研究資金で比較しても中国は2002年に日本を抜き、2011年にアメリカを抜いた。研究資金でも日本の2倍以上でアメリカに近づきつつある。IT大国としての中国を見誤ってはいけない。(財界 2018年9月25日号 第479回)

※ブログには2018年8月15日付けの国別社数の表を掲載しておりますので、興味をお持ちの方は合わせて参照下さい。

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ジャーナリスト。1942年生。慶応大学経済学部卒業後、毎日新聞社入社。大蔵省、日銀、財界、ワシントン特派員等を経て1987年からフリー。TBSテレビ「ブロードキャスター」「NEWS23」「朝ズバッ!」等のコメンテーター、BS-TBS「グローバル・ナビフロント」のキャスターを約15年務め、TBSラジオ「森本毅郎・スタンバイ!」に27年間出演。現在は、TBSラジオ「嶌信彦 人生百景『志の人たち』」出演。近著にウズベキスタン抑留者のナボイ劇場建設秘話を描いたノンフィクション「伝説となった日本兵捕虜-ソ連四大劇場を建てた男たち-」を角川書店より発売。著書多数。NPO「日本ニュース時事能力検定協会」理事、NPO「日本ウズベキスタン協会」 会長。先進国サミットの取材は約30回に及ぶ。

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【著者】 嶌信彦 【発行周期】 ほぼ 平日刊

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