そして、これは、親と子の関係だけでなく先生と子どもの関係でも同じです。自分に自信が持てなくなるというのは、自己肯定感が持てなくなって、いい自己イメージを持てなくなるということです。
そして、自己イメージとは自分をつくっていく上での設計図です。建物をつくるとき設計図を元にするように、自分をつくるときも自己イメージという設計図を元につくるのです。
ですから、「自分はがんばれる。努力家だ」「自分はやれる。能力がある」という自己イメージを持っている人は、長い間にだんだんそうなっていきます。また、「自分はダメだ。がんばれない。能力がない」という自己イメージを持っている人も、長い間にだんだんそうなっていきます。
逆はあり得ません。つまり、「自分はダメだ」と思い込んでしまった人が、自分の可能性に果敢にチャレンジして、どんどん能力を高めていくことなどあり得ないのです。そういうことは、本質的にあり得ないことなのです。
ですから、親が子どもを伸ばしたいと思ったら、まずやるべきことは子どもがいい自己イメージを持てるようにしてあげることです。いい自己イメージさえ持てれば、親がいちいち細かいことを言わなくても、子どもが自分でどんどんそちらに向かって進んでくれます。
その反対に、まずい自己イメージを持ってしまえば、親がいくらあの手この手を繰り出しても、すべて徒労に終わってしまうことになるのです。
親がいつも否定的かつ感情的な言い方で叱っていると、子どもにまずい自己イメージを持たせてしまい、結果的にこのようなことになってしまうのです。