悲劇のモスバーガー。値上げと食中毒が招いた止まらぬ客離れ

 

マクドナルドの大復活劇

こうしたモスの凋落はマクドナルドの復活も大きく関係しているだろう。マクドナルドは14年7月に期限切れの鶏肉を使用したことが発覚し、それにより客離れが起き、業績が大きく悪化した。しかし、鶏肉問題が発生してから月日が経ったことに加え、打ち出した施策が奏功したことで業績が回復するようになった。既存店売上高は15年12月から18年9月まで34カ月連続で前年実績を上回っている。直近の18年1~6月期の連結決算は、売上高が前年比9.7%増の1,330億円純利益が26.3%増の135億円と好調だ。

マクドナルドが復活している理由はいくつかあるが、その一つに商品の品質を高めたことがあるだろう。美味しいハンバーガーを開発し投入したことでマクドナルドに足を運ぶ人が増えていったのだ。

既存店売上高が前年を上回りだした15年12月より前は、鶏肉問題で悪化したイメージを回復させるための施策に忙殺されていたこともあり、商品面では強い打ち出しができていなかった。もちろん、商品の打ち出しをまったくしていなかったわけではない。ただ、打ち出したとしても、高品質の商品というよりは“値ごろ感”のある商品を打ち出し、低価格の商品で集客を図ろうとしていた。

例えば、14年10月に売り出した「昼マック」がそうだろう。平日のランチタイムに限りセットメニュー約10種類を値下げし、350円、450円、550円のいずれかで販売した。低価格を訴求していたことがわかるだろう。15年10月には、ハンバーガー単品200円、セットで500円と値ごろ感のある商品群「おてごろマック」を発売している。このように、15年までは価格の安い商品を打ち出す傾向にあった。

ところが、16年以降は価格の安い商品の打ち出しは鳴りを潜めている。高価格だが高品質の新商品を開発したり、品質の良さをアピールするキャンペーンを打ち出すなど、品質面を前面に打ち出す戦略に舵を切ったのだ。

例えば、16年4月に発売した「ギガビッグマック」がそうだろう。定番メニュー「ビッグマック」を極端に大きくした食べ応えのあるバーガーで、単品で740円、セットだと1,000円以上にもなる。同年5月には、ハワイの定番料理「ロコモコ」をイメージした、ハワイ州観光局公認のバーガー「ロコモコバーガー」(単品400円、セット690円)を発売した。こういった高価格・高品質の商品の販売が目立っていた。

名前を公募して新バーガーを販売したり、バーガー総選挙を実施したりするなど、話題性のある販促を打ち出すようになったのも16年に入ってからだ。高品質商品の販売と並行して実施したため、高品質商品の品質面のアピール強化にもつながった。

17年は定番メニューを強化する年と位置づけ、商品品質の底上げを図っている。18年も高品質商品の開発と定番メニューの強化に力を入れており、例えば4月に、ビッグマックに改良を加えた「ビッグマックベーコン」(単品450円、セット750円)や「ビッグマックBLT」(単品490円、セット790円)を発売し、10月には「グランガーリックペッパー」(単品390円、セット690円)など3種類のバーガーを定番メニューに加えている。こういった高品質の商品を投入し、話題性のある販促を実施したことでマクドナルドに客足が戻るようになったのだ。

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