悲劇のモスバーガー。値上げと食中毒が招いた止まらぬ客離れ

 

急速に落下するモスバーガーの顧客満足度

消費者の節約志向は弱まる気配はなく、消費者は値上げに敏感だ。単なる値上げは客離れに直結する。実際、値上げしたことで客離れが起きた外食チェーンは少なくない。

牛丼チェーンの「吉野家」は14年12月に主力の牛丼並盛りを300円から380円に値上げしたが、これにより客数が前年同月比で15%ほど落ち込み、長らく客離れで苦しむことになった。

居酒屋チェーン「和民」などを展開するワタミは14年4月に傘下の居酒屋で値上げを実施したところ、国内外食事業の客数が最大12%落ち込むなど深刻な客離れを招いた。消費者を対象に実施したアンケート調査によると、値上げを機に価格に対する満足度が急激に低下したという。こうした状況を受けて15年4月に“値下げ”を実施したところ、ようやく客離れは止まるようになった。

最近では居酒屋チェーンの「鳥貴族」が値上げし、客離れで苦しんでいる。昨年10月に1品280円均一から298円に引き上げたところ客離れが起きた。客数は昨年12月から今年9月まで10カ月連続で前年同月を下回っている。9月は前年同月比15.3%減と大幅に減っており、客離れは止みそうにない。

以上の例が示しているように、値上げは客離れを招く。モスバーガーも例外ではなく、値上げにより割高感が出てしまいそれにより客離れが起きてしまったと考えられる。

もちろん、商品の品質を高めた上での値上げであれば客離れは限定的だっただろう。ただ、モスが値上げした際に商品の品質を高めた形跡は見当たらない。単なる値上げで終わってしまったため、割高感が出てしまった。さらに、近年は「シェイクシャック」など高品質のハンバーガーを提供する店が続々と誕生しており、消費者が感じるモスの商品品質は相対的に低下してしまっている。これにより割高感がより高まってしまい、客離れにつながっていったと考える。

かつてのハンバーガー業界は、「高品質のモス低価格のマクドナルド」という構図で大方見られており、モスの高品質感は際立っていた。しかし近年は高級バーガー店が台頭したことで「高品質の高級バーガー店中価格・中品質のモス低価格のマクドナルド」という構図に変移してしまっている。こうしてモスは中途半端な位置に追いやられてしまい、それによりブランド力が低下し、以前のようには顧客を引き付けることができなくなってしまったのではないか。

このことを示すかのように、モスバーガーの顧客満足度が急速に低下している。日本生産性本部・サービス産業生産性協議会の「日本版顧客満足度指数(JCSI)」(2018年度第1回調査)で、モスは飲食店部門の「顧客満足」で前年度の3位から4位に後退してしまったのだ。16年度まで2年連続で1位に君臨していたが、17年度に3位に転落していた。順位は徐々に低下している。

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