いじめ自殺未遂に開き直り。教育委の呆れた逆ギレと逃げた北杜市長

 

文科省の指導

こうした事態に文部科学省は山梨県教育委員会を通じて、北杜市教育委員会に指導を入れている。その内容は噛み砕けば、「いじめ防止対策推進法に則りちゃんと対応してください」というものだ。

ところが、独立組織とされる教育委員会はこの指導を突っぱねることもできるという現実問題がある。さらに、山梨県教育委員会も北杜市教育委員会も指導は、単なる被害家族からの嫌がらせに過ぎないと判断しているようだ。

山梨県教育庁義務教育課 しなやかな心の育成担当 課長補佐から北杜市教育委員会指導監に送られたメールにはこうある。

遅くまで、お疲れ様でした。文科省へ送ったメモを添付します。私が形式を少し変えましたが、内容は全く変えていません。明日また、連絡があるということでした。現段階では理解が得られていないので、どうなるかわかりませんが、また次の手が出てくると予想されます。(略)堀内教育庁様にもご自愛くださるようお伝えください。(略)

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このメールについては、2018年11月9日、山梨県日日新聞でもスクープされ、ここまでそのままの内容ではないが、教育委員会は釈明会見を行っている。そこでは、「次の手とは次の要望のことだと見苦しい詭弁を記者らに答えている。

さて、「現段階では理解」という内容があるが、これには2つのことが考えられる。

それは文科省側へ自分たちは十分やっているんですという甘えた主張か、それとも、第三者委員会設置について被害保護者側から理解が得られず設置が遅れているということを指す可能性が高いと考えられる。

第三者委員会設置に被害保護者はなぜ懸念を示すのか?

ここまでくると、多くの読者は「第三者委員会を設置せよ!」と考えるだろう。それを、市の教育委員会が提案しているなら、応じようとしない被害保護者側に何か思惑があるのかと思うかもしれない。

ただ、下記の写真を見て欲しい。これならば、100人いれば100人応じられないはずなのだ。

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そもそも、北杜市教育委員会は、第三者委員会を設置するにあたり、誰が委員になるのかを被害保護者に明かしてはいない(文部科学省もこの非開示で第三者委員会のメンバーを開示するように強く指導を入れたのだ。法の要件以前に到底受け入れ難いし、考えられない。としている)。

肩書や所属だけを示し、「私たちとは関係の深い信頼できる人たちで構成しますから」と被害保護者らに説明している。

つまり、誰に頼むかはすでに名指しで決まっているが、被害保護者にも被害者にも第三者委員会の委員の名前は明かさずでも承認しろ。というなんとも横柄で乱暴な対応なのだ。

被害保護者らは、公平性を担保するためにも、自分たちからも推薦する委員を入れてほしいという要望を出すが、それには応じられないとされている。聞く耳を持たず、中立公平などという言葉は彼らの辞書には別の意味で書かれているに違いない。

いじめ防止対策推進法や文部科学省のガイドラインに照らせば、容易にこのいじめ自殺未遂事件は重大事案にあたる問題であるが、なんらの根拠もなく、北杜市教育委員会は「重大事案の認識はある」と言いながらも「重大事案とはしない」と記者らに話している。

つまり、北杜市教育委員会が設置しようとする第三者委員会は、「いじめと自殺未遂は無関係」とし、「そもそも重大事案ではないとしたい北杜市教育委員会の判断を裏付けるという目的を持った名目第三者委員会なのではないだろうか。

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