拒否すれば粛清。年間1000人が海の藻屑と消えている北朝鮮の惨状

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先日掲載の「北の漁船漂着が2017年超え。なぜ北海道への漂着が増えているのか?」などでもお伝えしている通り、あまりに粗末な船で漁に出て遭難し、命を落とすケースもままある北朝鮮の漁師たち。なぜ彼らは死の危険を顧みず、荒波が猛り狂う冬の日本海へと出漁するのでしょうか。北朝鮮研究の第一人者である宮塚利雄さんが、自身が主宰するメルマガ『宮塚利雄の朝鮮半島ゼミ「中朝国境から朝鮮半島を管見する!」』で、彼らを巡るあまりに悲しい真実を記しています。

金正恩の現地指導により年間1,000人の北漁民が海の藻屑に

能登半島での北朝鮮の小型木造漁船の現地調査で感じたことは、北海道や秋田・青森・山形の海岸に流れ着く木造漁船には櫓や屋根が付いたものもあるが、我々の見たものは皆原形を留めず、浜辺からロープでぐるぐる巻きにされ、重機で無理やり引き揚げられたこともあって、生木を剥したかのように、黒く塗られた板切れが白く剥がれている。

ここから引き揚げられて間もないことを物語っているが、これに打ち付けられた3寸釘がこれまたあちこちにのこぎりの歯のように尖った先を見せており、うかうか近づくこともできないし、手に取ってじっくり検分することもままならない。

よく言われる「地元の漁師もあきれるほどの粗末な作りと大きさの船」であり、素人目にも「よくこんな船で日本海の荒波を乗り越えてきたものだ」と感心(寒心)させられる。

調査した舟の中にはそれこそ「平べったいお腹」よろしく、本当にまっ平らな底を晒していた。最後に調査した船の検分のときには、岩礁に打ちつけられたもので、その船にたどり着くまでに岩場を歩いていくのだが、これまた、滑りやすかったり、ゴツゴツしているので、これらの岩(石)を飛び越えるのも容易ではない。

すでに沖には白波が立ち始めていたが、このような海原を眺めていると、気が遠くなるだけでなく、恐怖感が襲ってくる。

漁師の誰もが「こんなぼろ舟に乗りたい」とは思っていないはずだが、乗らざるを得ないわが身の運のなさを嘆いたはずである。そして運よく、生きたまま日本の海岸に漂着すればいいが、大半は白骨化した遺体か海の藻屑となってしまうのである。

この稿を書き始めようとしていたときに、『画報 朝鮮』が送られてきた。開けて次のページに見開きで「水産部門の前進飛躍を力強く先導してくださり」のタイトル記事で、金正恩が両手をポケットに突っ込んだま笑顔で水産事業所の面々に話しかけている写真の下には、これまた大量の「ハタハタ」の山が紹介されている。

金正恩が水産事業所を現地指導したときに「魚が大量に積まれている姿を見るのは気分がいい。もっと新鮮な魚を獲り続けるように」とはっぱを掛けたというが、まさにこの場面を見て言ったのだろうか。

大量に積まれたハタハタの山をよく見ていると、確かにあちこちに「ぶりっこ」(ハタハタの卵)が見られるから、大量に違いない。

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