「廃墟マンション騒動」に見る、日本中でアスベストが飛散する日

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外壁が崩れがれきが散乱、発がん性物質であるアスベストが露出した状態で放置されている、滋賀県野洲市の廃墟マンションが話題となっています。今回の無料メルマガ『まんしょんオタクのマンションこぼれ話』では、著者でマンション管理士の廣田信子さんがその詳細を紹介するとともに、このような事態は決して他人事ではないと注意を喚起しています。

驚きの廃墟マンション!

こんにちは!廣田信子です。

2月17日、18日の京都新聞の危険な廃墟マンションの記事が目を引きました。これほどの廃墟マンションは、初めて見ました。

廃墟マンション解体へ市が方針変更 アスベスト露出、行政代執行

京都新聞によると、滋賀県野洲市の老朽化した空き家マンション。築47年、鉄骨3階建て9部屋。約10年前から人は住んでいません。昨年6月の大阪府北部地震で大きく崩壊し、外壁が崩れてがれきが散乱。鉄骨に吹き付けられていたアスベストが露出して危険な状態。がれきの山から3メートルのところには歩道があり、人が通行しています。

近隣からの通報で状態を確認した市は、昨年8月~9月に2回、所有者への説明会を開催し、自主解体を求めました。解体には所有者全員の同意が必要ですが、説明会に集まったのは、9人中7人。残りの2人は、実態がなく連絡が取れない会社と呼びかけに応じない個人です。

所有者の代表は、一日も早く解体しなければと思い、弁護士に所有者の特定を頼みつつ、法定代理人を立てることも検討していると言いますが…所有者の特定と全員合意には、長い時間がかかってしまうことが予想され、その間、近隣住民にとって危険な状態が放置されてしまいます。

市は、昨年9月、空き家対策特別措置法に基づき同マンションを特定空き家に認定はしましたが、行政代執行での取り壊しとなれば、業者への解体設計の依頼や議会の予算決議などに時間がかかり、解体は来年以降になる。危険性は認識しているが、空き家対策特別措置法では、所有者による処理が原則、代執行すると財政派の負担は小さくない…と。

総務省が1月22日に公表した実態調査では、全国で代執行による取り壊し費用を全額回収できたのは10%(5件)、全額を自治体が負担したのは27%(13件)に上っています。

しかし、この廃墟マンションの場合、建物崩壊の危険だけでなく、調査では、吹き付け材から国の基準0.1%を大きく上回る28.4%のアスベストを検出。そのアスベストがむき出しの状態で放置されていては、近隣住民はたまりません。

専門家は、検出されたクロシドライトはアスベストの中で最も発がん性が高いもの。今のところ健康被害がないから問題ないというものではなく、20~40年後に肺がんや中皮腫などの健康被害が出ることがある。一般的には、アスベストに薬剤をかけ、飛散しないように固定化する対策が考えられるが、建物の老朽化が激しいため難しいと思われる。また、空き家対策特措法ではアスベストが飛散している危険な状況に対し緊急的に手が打てない。同様のケースは今後増える可能性があり、放置空き家のアスベスト対策の法制度をつくる議論が必要だ…と。

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