幼少期に子供を十分遊ばせておかないと、ぶち当たる「9歳の壁」

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小学3、4年の時期に、算数で小数点や分数などの抽象的概念の問題が出てきたときに苦労する「9歳の壁」、子育てする親御さんなら耳にしたことがあると思います。この壁に直面しないようにするには、どうしたらいいのでしょう?メルマガ『子どもを伸ばす 親力アップの家庭教育』の著者の柳川由紀さんは、発達段階に応じた遊びをすることが「考える力」「抽象的思考」を獲得する最短ルートとアドバイス。思考力を育む5段階の遊びの順番と内容を詳しくレクチャーしてくれます。

早すぎる習い事は9歳の壁を高くする?

Q. 娘はまだ2歳になったばかりですが、周りのお友達が英会話塾や公文式、ピアノ、バイオリン、スイミングなどの習い事を始めました。親としては早期教育よりもまず、遊びを通して体を鍛えさせ、習い事は小学校へ入る頃か中学年頃からくらいで良いと思っていますが、娘だけ習い事をしていないので、心細いです。(2歳、1歳年子の女児のお母様より)

柳川さんからの回答

2歳で習い事をするお子さまたちも最近は多くなりましたね。習い事にもよりますが、知識を詰め込む習い事は、2歳ではあまり意味がないと言っても良いかもしれません。習い事よりもまず、子どもが十分に遊べる環境を作ることをお勧めします。

子どもにはなぜ遊びが必要なのか?

子どもをコミュニケーション能力が高く、かつ問題解決能力もあり、人を思いやる気持ちを持ち、友達から慕われて、社会貢献できる人間にしたい!などと欲張る保護者は多いと思います。

その希望を叶えるのは可能です。ただし、子どもの「考える力」が育っていないといけません。そのためには、遊びが非常に大切なのです。

しかも、遊びで大きな筋肉(外遊びで身につく)と小さな筋肉(室内遊びで身につく)をバランスよく育てることです。「第二の脳」と呼ばれる「手先」は脳の発達と密接に関連しています。

身体を使って遊ぶこと、手先を使って遊ぶことのバランスの良い積み上げが「考える力=思考力を獲得する最短最強ルート」なのです。発達段階に合わせた次の1~5の順で遊びを積み上げましょう。

1.身体で体験する機能的あそび

赤ちゃんは何でも口に入れようとしたり、触ろうとしたりします。そうしないとモノを認識できないからです。これが、言葉を獲得する前の段階で、発達心理学では「機能的あそび」と言います。この時期は身体使いつつ様々なものに触れさせることが大事です。

2.道具を使う具体的操作あそび

「具体的操作」とは、手先とモノを利用して具体的に考えることです。子どもは言葉を話すようになると、口に入れたり、触ったりしなくても言葉と手先でモノを認識できます。

瓶のふたを回して開け閉めする、穴に紐を通す、物を移すなど、大人にしてみたら何が楽しいのかと思いますが、子どもは夢中です。「数」の概念の前に「量」の概念を知っておく必要がありますが、子どもは物の大小、量の多少などの感覚をこうした遊びを繰り返しながら徐々に掴んでいきます。その時に大人が必要なおもちゃの環境を作るのです。

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