幼少期に子供を十分遊ばせておかないと、ぶち当たる「9歳の壁」

 

3.ごっこ遊び

ごっこ遊びとは「象徴遊び」とも呼ばれ、発達心理学では、「真似することで社会的役割を獲得する」ことを言います。お母さんやお父さん、幼稚園の先生やスーパーのレジで働く人など様々な真似をします。

発達段階に合わせて環境を整えておくと、ごっこ遊びは、お料理をするなどのシンプルなものから、ハンドルを握って、車で家族揃って外食に出かけ、レストランではシェフが腕を振るう、といった複雑なものまでどんどん広がります

4.構造遊び

積み木遊びや汽車遊びなど組み立てて作品を作る遊びです。積み木で家やお城を作ったり、その周囲にレールを敷いて町を作ったりして遊びは広く発展していきます。

一人っ子でも集団に入って皆と協力できるようになります。子どもの発達は、おもちゃや遊びの表現で見ることができます。こうした遊びを通して「抽象的思考」が育まれていきます。

5.ルール遊び

ルール遊びでは、集団の中で「規律」を学びます。鬼ごっこやかくれんぼなど、ルールを理解することでようやく遊べるわけです。まずは理解して、次にそのルールを守ることを学びます。そして、試行錯誤する中で子どもたちが主体的にルールを作り出せるようになっていきます。

家庭教育アドバイス…「早期の知識詰込みは9歳の壁を高くする」

先述した1から5までの順序を飛び越して焦って知識ばかりを詰め込むとどうなると思いますか?「9歳の壁」にぶち当たってしまいます。

特に、ご相談者のような2歳頃から習い事を始めると、「具体的操作遊び」や「ごっこ遊び」「構造遊び」の機会がないまま、小学校へ上がることになりかねません。

十分に遊びの中で思考力がついていないと、「余りのある割り算」や「分数」という「抽象的概念」の問題が出てきた途端に勉強がわからなくなります。まさにこの時が「9歳の壁」と呼ばれている小学3、4年の時期なのです。

ですから、まずは土台となる「思考力」を育てるために大いに子どもを遊ばせる環境を整えましょう。十分に遊ぶ時間を取れて、その習い事が知識を詰め込むようなものではなく、子どもが主体的に楽しんで取り組めるものであれば良いと思います。

習い事自体は悪くありません。始める時期と子どもの発達段階を踏まえて見極めましょう。

image by: shutterstock.com

家庭教育アドバイザー 柳川由紀この著者の記事一覧

家庭教育のプロとして、教育相談員の経験を生かしながら、親としての接し方のコツをお伝えします。子どもは、親のサポートの仕方でずいぶん変わります。子どもの能力を最大限に引き出せるよう、まずは親力をアップさせましょう。専門である教育心理学、家庭教育学をベースに家庭の中でできる「子どもを伸ばすためのコミュニケーション術」を「親の力」に視点を置き配信予定です。乳幼児、小学生、中学生、高校生、大学生など発達段階に応じた子どもへの声掛けを具体的にご紹介します。

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