連休中もインフルエンザに注意。医師推奨の本当に有効な対策は?

 

予防接種は毎年ハロウィン前までに

インフルエンザに対しては治療薬が開発されていますが、普段健康な人が通常型のインフルエンザにかかったときには内服を勧めません。薬を飲んだとしても、治るまでの日が平均してほんの1日だけ短くなる程度の効果しか期待できないからです。ウィルスに対する薬も使えば使うほど耐性ウイルスの割合が増えていきます。新型のパンデミックに備えて、むしろ伝家の宝刀は抜かずに置いておくべきです。

インフルエンザ対策として、一般の人々にお勧めしたいのは毎年秋にインフルエンザの予防接種を受けることです。接種のタイミングとしては、ハロウィン前が良いですね。予防接種を毎年受けているとインフルエンザに対する免疫力が少しずつ蓄積していくからです。

考古学や人類学で有名なジャレド・ダイヤモンドによると、インフルエンザは進化学的にはもともと鳥の感染症でした。人類が畜産を始めて鶏を大量に保有することにより、鳥から人にインフルエンザが移ったと考えられています。新型インフルエンザも鳥インフルエンザから人に移ることで出てくるだろうと予想されています。不健康な食事の元となる家畜、温室効果ガスを排出する家畜、そしてインフルエンザをもたらす家畜、ここでも畜産の影響が現れているのです。

文献

Wolfe ND, Dunavan CP, Diamond J. Origins of major human infectious diseases. Nature. 447 (17): 279: 2007.

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