シー・シェパードを敵に回した日本人ドキュメンタリー監督の闘い

 

『ザ・コーヴ』騒動以降、現地の和歌山県太地町には、海外から反捕鯨活動家たちが押し寄せては、地元民の日常生活を圧迫し、邪魔し、嫌がらせを続けました。しかし、『Behind THE COVE』が映画祭に選出され、ワシントンポストやABCなどで取り上げられたのは2015年の8月、ちょうど翌月の9月のイルカ漁が始まる直前でした。その際に現地に訪れていた反捕鯨家は2、3人に激減―。

日本国家がドキュメンタリー映画で売られたケンカを、監督という個人がドキュメンタリー映画で買い取りました。その手法は、本物のジャーナリスト。(もっと言うなら、骨太の任侠世界だよ・笑)

未見の方はぜひ、見てください。実際、監督は作品の中で、常に戦っています。あの反捕鯨団体シー・シェパードであろうが、ガンガン、突撃取材。地元民にも密着して、生の声を収めます。と同時に、プロパガンダ作品に相対するように、冷静な目と公平な立場で、日本と諸外国の鯨油の使い道の違い、クジラの栄養価の検証、クジラ漁の歴史的背景まで追求していきます。

そして、圧巻なのは、ラスト─。数年前「文春砲」という言葉が流行りました。週刊誌が、芸能人のスキャンダルを暴露する一撃を表した言葉です。これをあのシー・シェパードに食らわします。世界規模の環境的社会派文春砲─。芸能人の不倫どーのこーのがどうでもよく見えてくるほどの一撃です。

これ、ほんとに、ひとりの日本人女性監督が作ったの?最初に見た時はそう感じました。お会いした監督は、硬派で社会派なテーマの今作を作った人とは思えないほど、ごくごく普通の可愛らしい女性でした。だからこそ、シー・シェパードにも、相手方『THE COVE』の監督にも、警戒させず、ガンガン懐に入り込めたのかなと思うほど。

去年6月、監督は「ニューヨーク国際映画製作者映画祭(iffny.com)」で審査委員特別賞を受賞。その時に取材させて頂き、それ以降仲良くさせてもらっていました。監督は、それ以降も世界中での上映会に出席し、ひとりでも多くの世界の人に、真実を伝える活動をされています。

今年の頭、その監督から、連絡がありました。「春にコロンビア大学での上映会が決まったから、協力してほしい」と。すごいじゃないですか!とは言ってはみたものの、その時の僕はまだどこかで他人事でした。監督が招待される多くの世界の上映会のひとつでしかないだろう、くらいに思っていたのです。

でも、当初は監督の『Behind THE COVE』ではなく、『THE COVE』の方が、上映予定だったとのこと。大逆転で、コロンビ大学で上映されることになったことは、監督にとってもとても大きな出来事だったことを後で知りました。

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