東京ですら10軒に1軒が空き家。迫る「日本中が廃墟で溢れる日」

 

4月26日に公表された18年度の住宅着工戸数は約95万戸と前年度より0.7%多くなっています。空き家が増えていても、人口が減少に転じても、どんどん新たな住宅が造られている現実は変わっていません。

供給過多だから老朽化が著しい空き家は放置される。今、全国の自治体がその後始末に追われているのです。15年に空き家対策特別措置法が施行されて以降、市区町村が修繕や撤去所有者に勧告した物件は昨年10月初めまでで908件、解体等代執行に踏み切った物件も118軒あります。解体費は所有者に請求するのが原則ですが、多くの住宅は持ち主すらわからないのが実情です。

マンションの空室が増えるのも、どんどん新しいマンションが供給されることが大きな要因のひとつです。空室の増加は、管理費等の滞納に繋がり、資金不足で維持管理ができないという悪循環を呼びます。

過去記事に書いたようにマンションではじめて解体等代執行に踏み切る事例が出ます。

「廃墟マンション騒動」に見る、日本中でアスベストが飛散する日

滋賀県野洲市の廃墟マンションです。現在手続きが進行中ですが、その実態はどうなのか、行政と区分所有者たちはどのような関係で手続きを進めるのか、来週、現地視察に伺う予定です。

こんなことになると、いかに大変なのかを知ってもらうことで、管理不全対策への自治体の本気の取り組みに繋がってもらえれば…と願います。

image by: Shutterstock.com

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【著者】 廣田信子 【発行周期】 ほぼ 平日刊

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