元国税調査官が暴く「少子高齢化は政府による人災」の決定的証拠

 

消費税は子育て世代がもっとも負担が大きい

次に、みなさんに認識していただきたいのが、「消費税は子育て世代がもっとも負担が大きい」ということです。

消費税というのは、収入における消費割合が高い人ほど負担率は大きくなります。たとえば、収入の100%を消費に充てている人は、収入に対する消費税の負担割合は8%ということになります。

が、収入の25%しか消費していない人は、収入に対する消費税の負担割合は2%でいいということになります。収入に対する消費割合が低い人というのは、高額所得者や投資家です。彼らは収入を全部消費せずに、貯蓄や投資に回す余裕があるからです。こういう人たちは、収入に対する消費税負担割合は非常に低くなります。

では、収入における消費割合が高い人というのは、どういう人かというと、所得が低い人や子育て世代ということになります。人生のうちでもっとも消費が大きい時期というのは大半の人が「子供を育てている時期」のはずです。そういう人たちは、必然的に収入に対する消費割合は高くなります。

ということは、子育て世代や所得の低い人たちが収入に対する消費税の負担割合がもっとも高いということになるのです。

児童手当は焼け石に水

子育て世帯に対しては、「児童手当を支給しているので負担は軽くなったはず」と主張する識者もいます。しかし、この論はまったくの詭弁です。

児童手当というのは、だいたい一人あたり月1万円、年にして12万円程度です。その一方で、児童手当を受けている子供は、税金の扶養控除が受けられません。そのため、平均的なサラリーマンで、だいたい5~6万円の所得税増税となります。それを差し引くと6~7万円です。つまり、児童手当の実質的な支給額というのは、だいたい年間6~7万円しかないのです。

しかも、子育て世代には、消費税が重くのしかかります。子供一人にかかる養育費というのは、年間200万円くらいは必要です。食費やおやつに洋服代、学用品などの必需品だけでも平均で200万円くらいにはなるのです。ちょっと遊びに行ったり、ちょっとした習い事などをすれば、すぐに200~300万円になります。子供の養育費が200万円だとして、負担する消費税額は16万円です児童手当で支給された分をはるかに超えてしまいます

つまり子育て世代にとって、児童手当よりも増税額の方がはるかに大きいのです。少子高齢化を食い止めるためには、政府は子育てがしやすいように「支給」しなければならないはずなのに、むしろ搾取しているのです。

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