我が国の一人あたりGDPは世界26位、幸福度ランキングは58位、労働生産性は最下位ですが、英国の民間企業の調査によると、ブランド力は「世界一」という驚きの結果となっています。一体なぜ?今回の無料メルマガ『ロシア政治経済ジャーナル』で、国際関係ジャーナリストの北野幸伯さんが深掘りしています。
日本の「ブランド力」は世界何位?意外な結果
私は昨年、『日本の生き筋~家族大切主義が日本を救う』という本を出版しました。執筆時に、「日本の現状」を調べていたら、いろいろなことがわかった。
良く知られている事実として、日本のGDPは世界3位。しかし、一人当たりGDPは、世界2位から下がりに下がって、今では世界【26位】(2018年)になっています。国連世界幸福度ランキング2019年は、なんと【58位】。日本の労働生産性、G7国中【最下位】(公益財団法人 日本生産性本部が2017年12月20日に発表「労働生産性の国際比較2017年版」による)。日本人の平均睡眠時間、100か国中最短(ミシガン大学2016年の調査結果)。熱意ある社員は、たったの【6%】(米ギャラップ調査 2017年)。
とまあ、調べていてナーバスになってしまいました。私は、「どうして世界一善良で勤勉な日本が、こんなことになっているのだろう?」と疑問を持ち、その理由と解決策を本に書いたのです。
日本のブランド力は世界何位???
イギリスのフューチャーブランド社が、「国のブランド力ランキング」を発表しました。日本は、何位だったのでしょうか?75位中、73位…(涙)。ウソです。本当は……。1位です!(^▽^)
日本の評判、世界最高=「独特な文化」に高評価-英調査
6/29(土)13:04配信
【ロンドン時事】日本の「ブランド力」は世界最高―。英フューチャーブランド社が25日発表した国・地域の評判を基準とした「フューチャーブランド・カントリー指数」のランキングで、日本が1位となった。
いったい、この会社は、何を基準に判断しているのでしょうか?
調査はGDPの上位75カ国・地域が対象。今年1~2月、世界各地で過去1年で少なくとも1度は海外旅行した計2500人にオンラインでインタビューを実施した。さらに、交流サイト(SNS)での各国・地域に関する投稿を多数の言語で分析し、22項目で採点した。
(同上)
項目とは?
- 政治的自由
- 環境へのやさしさ
- 寛容さ
- 健康と教育
- 生活水準
- 安全
- そこに住みたい、勉強したい?
- ビジネス環境
- 技術力
- インフラ
- 歴史(興味深いか)
- 芸術、文化遺産
- 自然の美しさ
- お金の価値
- 娯楽
- リゾート、宿泊
- 休暇中に訪れたい?
- 食事
同社は「国・地域の力を測定するのに、国内総生産(GDP)や人口規模、核兵器の数に意味はあるだろうか」と指摘。その上で、日本に関して、高い技術やイノベーションを背景とした製品・サービスよりも、西洋とは異なる無駄を省いたシンプルさなどを体現した独特な文化こそが「日本の最も偉大な輸出品」だと述べた。
(同上)
「シンプルさなどを体現した独特な文化こそが『日本の最も偉大な輸出品』」だそうです。これって、なんでしょうか?こんまりさんの「片付け法」でしょうか?スティーブ・ジョブズもはまった禅でしょうか?シンプルな無印用品でしょうか?
確かに、庭一つ見ても、ヨーロッパ、ロシアでは「豪華さ」が大事。日本の庭は、自然との調和が重要で、シンプルですね。こう考えると、確かに日本の文化というか考え方は、世界に広まってきている気がします。
米国は五つ順位を落とし、12位に転落。トランプ大統領の言動が影響したとみられるという。欧州連合(EU)離脱で混迷する英国も7つ順位を落とし、19位となった。近隣諸国では、韓国が20位(同20位)、中国は29位(同28位)だった。
(同上)