さて、もう1つの「NHKから国民を守る党」の話をしましょう。N国党は、ある意味で「ワン・イシュー」といわれるように「1つの政策しか出していない政党」であって、基本的なイデオロギーなどが見えない内容になってしまいます。そのような政党の場合は、保守とか革新というような話がありません。
また多くの人が当選した場合に分裂も早いのです。しかし、今回は比例で1人が入ったということになります。つまり1人なんですから分裂もありません。その意味では簡単なのですが、実際は「イデオロギーが関係ない人がこれだけの人数いる」ということと、その主張の「NHKのあり方」が問題になります。
ある意味で「NHKのあり方というか、マスコミの信用性」ということが大きな問題になっているのです。そのマスコミの信用性がないということ、つまりネット世代が多くいるということになります。そのネット世代をどのように考えるかということになります。
まさにネット世代そのものの動向ということで、「既存政党」ではなく「新しい政党」ということが出てくるのではないでしょうか。ある意味で「ワン・イシュー政党」は、今後も出てくるのではないかと思います。
既得権益や既存の権力組織を壊してゆくということが、今までは既存政党において、行われてきていましたが、それでは飽き足らず、そのような「時限政党」的な政党が出てくることが予想されます。その中の先駆け的な政党ではないかという気がするのです。
ある意味で、その方が訴えが通りやすい政治が出てくるかもしれません。別な言い方をすれば既存政党はわかりにくいということのアンチかもしれません。
最後に、憲法改正ですが、このことに関してはあまり多く語る気はありません。結局「数」の問題でしかないからです。内容の問題をここで議論するつもりはありません。
問題は、その「数」をどこから考えるのかということになります。3分の2ないから、憲法改正は信任されなかったということと、過半数取ったのだから、憲法改正の審議はすべきという2つの意見があります。
同時に、既存の政党に投票した人々は、憲法改正だけで投票したわけではなく、既存政党のこれらの解釈はあまりにも、双方ともに、自己都合にすぎるのではないかという気がするのです。そのように考えれば、今後の国民の説得をどのようにするのかが大きな問題です。
審議拒否、という方法が、また新たな「れいわ新選組現象」や「憲法改正ワン・イシュー政党」を作る可能性があるのではないかという気がします。
このように、今回の選挙からは様々な有権者行動が見えてきたのではないかという気がします。そしてその行動が、まさに、今後の政治を占う内容になるのではないでしょうか。
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