謝罪を受けるなら謝罪をするという理不尽な対応
このアンケート紛失もしくは廃棄について、当然ながら、学校は謝罪の意を示したが、これがまた変なのだ。簡単に言うと、「アンケート無くしちゃってごめんなさい。校長が謝るので、謝罪を受けるよっていう方だけ来てください」という内容の文面を出しているのだ。
これでは、「許す人にだけ謝る」という随分な態度にしか思えないであろう。
しかも、この大島商船高専は瀬戸内海の島にある学校で、通っている学生は他県出身者であったりして、保護者が学校に行くのも一苦労なのだ。わざわざ謝罪を受けるために学校に来いというのもどうだろう。取り方によっては、「謝ってやるから来いや」とも受け取ることもできるだろう。
こんな対応を続けるのであれば、被害者らの溜飲が下がることはないだろう。
処分決定を留保している学校の罪
私に嫌がらせをしている学校関係者は必死に「いじめはなかった」と言っているが、残念ながら、第三者委員会の中間報告では、少なからず、十数件のいじめが認められている。
今後さらに、いじめ行為は認められていくであろうし、別で動いている自死事件の第三者委員会からの報告も出るであろう。
いじめは、誰がなんと言おうが、あったのだ。それは数々のエビデンスの積み重ねによって証明されている。
そして、この状況を受け、処分の責任を第三者委員会にスケープゴートしたい学校は、最終報告後にでも加害生徒らを処分対象にするであろう。調査期間中、処分を保留し、未だにA君らへのいじめを放置していたのに、である。
学生の1年は大きいだろう、やり直しは中高年よりはきくだろうが、退学処分にでもなったら、加害生徒らは、何年も無駄にすることになるだろう。
一方で、第三者委員会や学校の調査を理由に、2017年から待たされ、我慢を強いられ、不当な処分を受けた被害側の地獄のような辛さは計り知れない。
こうした一種の二次被害をもたらしたのは、学校の責任である。学生の将来を作るはずの学校がこれでは、万が一でも許されることはないだろう。
編集後記
主体として動いていた加害生徒は、複数人を連れてA君の部屋に殴りに行った際、堪りかねたA君がフライパンで反撃したのを逆手にとって、「暴力を受けた」「俺は被害者!」だと言っています。
加害生徒は、それまで、A君の寮の部屋に突然入り込み、寝ているA君を殴ったり、部屋を荒らしたり、物品を取り上げたりの行為を、し続けていたのです。
A君はそれが原因で、不眠症になるなど大きな学習上の障害を発症しています。一方、寮はこれを管理せず放置していたのです。完全に管理上の問題があったと言えます。
全てにおいて学校がしっかり「いじめ防止対策推進法」とその「ガイドライン」、それ以前の当然ある安全に配慮できていれば、この問題は発生すらしていなかったのです。
そうした事実がつまびらかになることは、学校にとっては責任問題になり、不都合なのでしょう。
先日、私は商船に関しては巨大大手になる企業の役員さんと話す機会があり、この件について、2つのメッセージを受けました。
まずは1つ、「まだこんなことがあったのかと思う。これを機に、一掃して欲しい、中の人間にはもうできないと思うから」。もう1つは、「こんなことをする奴(加害者)は、船乗りの恥、誰も受け入れることはないと知れ」です。
日本は島国です。多くの船乗りによって、日本のシーレーンは発展してきましたが、先日起きた輸送船への攻撃でわかったことは、乗組員のほとんどは外国人だということです。日本の根本を守る物資は今や日本人のみが担っているわけではなく、多くの外国人従事者によって成り立ち、絶対数として日本人商船マンは不足しています。
きっとそうした仕事に従事することになろう商船生は貴重な存在なのです。そして、大島商船高専は、その学生を将来の船乗りとして、日本のシーレーンを担う存在として、育てる場のはずなのです。
そこにきて、この失態は、許されて良いものではないと断言できます。
もっと自覚してください、もっと学生の安全を守ってください。それができないなら、できるように助けてもらってください。と言いたいです。
ずっと言っていますが、少なからずいじめ対応については、この学校の教員全員が落第点以下です。
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