「ハマのドン」激怒。横浜のカジノ誘致を強要した「黒幕」の正体

 

2016年11月17日、トランプタワーにおける安倍首相と当選直後のトランプ氏との会談を成立させたキープレーヤーがアデルソン氏だともいわれる。安倍・トランプの蜜月関係が始まるきっかけとなった重要な会談だ。

この会談のすぐ後の同年12月15日、衆議院本会議でIR推進法案の修正案が自民党・公明党・日本維新の会の賛成多数で可決・成立。同12月26日、IR推進法が施行され、カジノ受け入れの法的な準備を日本側は整えた

この流れに最初に乗ったのは大阪だった。日本のカジノ事業に1兆円を投じる用意があるとメディアに語ったアデルソン氏に、当時の松井大阪府知事や吉村大阪市長が食らいついた。埋め立ててつくったバブルの産物ともいえる広大な遊休地・夢洲にIRを誘致する目論見だ。2017年9月、アデルソン氏は大阪を訪れ乗り気な姿勢を示した。

しかし、大阪市は夢洲までの地下鉄延伸にカジノ企業からの200億円規模におよぶ資金拠出をあてにしている。サンズ社と同業のMGMリゾーツ・インターナショナルはコスト負担に前向きの姿勢を示したと伝えられるが、カジノをつくるのにインフラ整備の巨額資金まで要求されるとなると、二の足を踏む企業も出てこよう。

現に、あれほどアデルソン会長が大阪に肩入れしていたサンズ社は、横浜市がカジノの誘致方針を発表すると、すぐさま大阪からの撤退を表明した。もともと、アデルソン氏は横浜を狙っていたのだ。

横浜へのカジノ誘致の仕掛け人をあげるとするなら菅官房長官ということになろう。週刊新潮 2015年ゴールデンウイーク特大号に以下の記述がある。

昨年夏前、東京・永田町からほど近いホテル内の日本料理屋で数人の政界関係者による会合が催されていた。

 

座の主役は、2012年12月以来、安倍内閣において官房長官の重責を担い続ける菅義偉氏だ。(中略)その場にいた政界関係者の1人によれば、会合の途中、雑談の流れの中で「統合型リゾート整備推進法案(カジノ法案)」の話になった。

 

「やっぱり、候補地はお台場が有力なんですかね?」政界関係者の問いに、菅氏は顔色を変えずに応じた。

 

「お台場はダメだよ。何しろ土地が狭すぎる」(中略)「横浜ならできるんだよ」

この会合が開かれたのが2014年の夏。ちょうど同じ年の8月16日の日経新聞に以下の記事が載ったのは偶然ではないだろう。

京浜急行電鉄は15日、カジノやホテルなどで構成する統合型リゾート(IR)を整備する構想を正式発表した。横浜市の山下埠頭を最有力の候補地と考えているもようで、実現すれば数千~1万人単位の雇用が生まれそうだという。

カジノ解禁については、かなり前からそれを望む声があったようだが、はっきりした形で出てきたのは、石原慎太郎氏が1999年の1期目の都知事選で「お台場カジノ構想」をぶち上げてからだ。その後、石原氏はお台場カジノ構想をあきらめたが、東京五輪の開催が決定するや、自民党のIR議連が活発に動き始めた。

横浜市の林文子市長もまた、菅官房長官に呼応して、2014年ごろから「人口減少が進む中、IR導入は横浜の持続的成長のために必要」とカジノ推進派の色を鮮明にしていたが、2017年7月の市長選を前に白紙」に姿勢を転じた。その背景には、ミナトを仕切る横浜港運協会会長、藤木幸夫氏の意思が明確になっていなかったということがあるのではないだろうか。

自民党の二階幹事長を「兄弟分」と呼ぶ藤木氏は林市長に待ったをかけたうえで、山下埠頭へのカジノ導入の是非を検討し、カジノ反対を打ち出した。そして、今年7月1日、カジノなしで国際展示場や高級ホテルを設ける独自の開発計画を推進するための横浜港ハーバーリゾート協会」を設立した。ミナトの利権を外国資本に渡したくない。そんな欲が頭をもたげたと見る向きもあろう。

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