【書評】火葬場が足りない。令和時代に日本を襲うヤバすぎる未来

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 少子化、高齢化が叫ばれて久しい日本ですが、有効な対策が打たれぬままその「老い」は日々進行し続けています。この事態はどんな未来を呼んでしまうのでしょうか。今回の無料メルマガ『クリエイターへ【日刊デジタルクリエイターズ】』では編集長の柴田忠男さんが、ジャーナリストの河合雅司氏が「日本消滅への道筋」を綴った一冊をレビューしています。

偏屈BOOK案内:『河合雅司の 未来の透視図 目前に迫るクライシス2040』

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河合雅司の 未来の透視図 目前に迫るクライシス2040
河合雅司 著/ビジネス社

著者は元産経新聞論説委員、作家、ジャーナリスト。『未来の年表』『未来の年表2』は2018年12月現在、累計75万部超のベストセラーとなっている。その第三弾は、「河合雅史の」と冠がつく『未来の透視図 目前に迫るクライシス2040』である。2040に何が?増える「高齢化」した高齢者……って?不思議な日本語だが分かる。2018年/80歳以上 1,104万人→2040年/80歳以上1,578万人(総人口比:2018/8.7%→2040/14.2%)、7人にひとりは80歳超になる。

2042年:高齢者人口がピーク
2056年:勤労世代が5000万人を割り込む
2076年:年間出生数が50万人を割り込む
↓↓↓↓
人口減少→3000年:日本消滅か?

今後、多少のベビーブームが起こったところで、日本の少子化はとまらない。人口減現象を単に人口が減ることと理解したのでは本質を見誤る。2042年までは高齢者(65歳以上の人口)はむしろ増える。働き手の減少は国民の暮らしの安全や安心を根底から揺るがす。社会そのものが成り立たなくなる

ところが、人口減少に伴う影響というのは、日々の変化に乏しく具体的な危機感として共有しづらい。だが、多くの人がこの「国難というべき危機感を共有しなければ、いくら戦略を立てても結果がついてこない。この本は人口減少問題に対する著者の緊急提言だ。令和時代に日本人が成し遂げなければならないことである。いま日本は日本人のほとんどは、この超弩級の危機を知らない。

  • あなたの骨を拾う人は誰なのか?「超・高齢者大国」リスク大国だ
  • 意外と長い「要介護」期間、「老老介護」は限界、家族による虐待事件が起る
  • 救急車が「看取りカー」になる。医療現場も高齢の医者ばかり
  • 女性高齢者の多くが「貧困者」?おばあちゃんの年金は4割少ない
  • 誰にも看取られず「孤独死」する高齢者は10年で倍増
  • 火葬場が足りず、遺骨も引き取られず「死して屍拾うものなし」
  • 介護人材が2025年に38万人足りなくなる!働き盛りの「介護離職」が増加
  • 高齢者ばかりの「老いる東京」2030年をピークに人口減! etc.

令和はどんな時代になるのか。足元の現実をから目を背けるな。間違いなく少子高齢化人口減少が進む時代となる。起死回生の策はなさそうだ。ああいやだいやだ、読んでいて落ちこむ前期高齢者なわたしである。政府は内閣府特命担当大臣(少子化対策担当)なんてヘボいこといってないで、ランク1位の省を設定し、民族の存亡をかけた戦いに、全力を挙げて邁進せよ。

編集長 柴田忠男

image by: MAHATHIR MOHD YASIN / Shutterstock.com

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