大企業で広がるレシートのビッグデータ分析。その狙いとは何か?

 

ビッグデータ分析は新しいことなのか?

大企業においてはこれまでにも、レジのPOSデータから、お客様の傾向を読み取っていました。また、中小企業においても、お客様の好みをしっかりと覚えていて、次回来店してくれた時に生かす、ということをしている事業主も昔からいました。

つまり、昔ながらの商売では、お客様の傾向を知り、喜んでもらうということは、普通に行なわれていたことだったです。

私が子供の頃に、近くに小さな本屋さんがありました。私が本好きだったこともあり、小学館の『小学3年生』などを配達してくれていました。配達に来るその本屋のおじさんが、サザエさんが好きな私の母に、「新刊が入ったよ」とか、「今度長谷川町子さんの新作で、エプロンおばさんっていうシリーズが発売になるよ」と教えてくれたりしていました。

酒屋さんなんかも同じで、配達に来ると、「そろそろ醤油が切れるんじゃない」とか、「お父さんの好きそうな日本酒が入ったよ」などと教えてくれるのは“当たり前”でした。個人でやっているような和食のお店では、今でも、常連さんの好きなものが市場にあった時には、ちゃんと仕入れてくれたりします。

今回のレシートでの情報収集は、「お客様のために何ができるか」という考え方をベースに、お客様が喜び、欲しがる商品を作るプロセスを、ITを駆使してやっている“だけ”なのです。

ここで大事なことは、「レシートを集めてAIで分析って、大企業しかできないよねと他人事で片付けないことです。中小企業やベンチャー、新規事業の場合や、個人事業主にとって、データを大量に集める、システムをAIとITで組むために、大きなお金をかけることはできませんが、その分お客様一人一人との距離は近いはずです。

データを使うことが目的ではありません。お客様を喜ばせることが目的なのです。まずはそこをもう一度再認識するべきです。お客様は、「今は知らないけれど、教えてもらうと嬉しい情報」を喜びます。

なので、お客様をしっかり観察して、時には忘れないようにメモを取ったり、ノートにまとめたりして、新しいメニューの開発や、ファンの方のためのサービス開発をしてみるべきです。とても参考になる事例ですよね。

image by: IgorGolovniov / Shutterstock.com

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