NY渡航10年で新聞社創業。何もない若者がなぜ成功できたのか?

 

根拠や具体的な戦略は後からでいい。とりえあえず宣言する。僕も2023年までに、ロンドン支社をオープンする!とここで宣言します。英国での市場調査もまだしてないし、マーケットが具体的にどうなのかも、まだ明確ではないです。なによりその時ポンドが強いのか弱いのかも誰も予想できません。

ただ、ヨーロッパでも採算は取れるビジネスモデルだろうな、というザックリな希望的観測と、ロンドンは好きな街なので出張で定期的に行けたらいいな、というミーハーな理由です。それだけです。

でも、宣言しちゃったからには、利益が出る形での進出を実現しなきゃいけない。約款も税率もこれから調べる。宣言した後に、勝つための戦略はこれから詰めていけばいい。これも見切り発車です。

その昔、今から数年前。当時の僕の雇い主(オーナー)が、僕の結婚式でスピーチしてくれた際、どうして会ったばかりの高橋に新会社の社長をやらせたのか、と来場者に聞かれた際、「異常に目力が強かったこと(笑)あと、“僕にはもう帰る場所がないんです”と言ってきたので」と話されました。(言った本人まったく覚えてないけど・笑)

彼自身も同じような経緯でアメリカに来た過去があります。帰る場所がない人間が誰よりも強いと経験から知っていたのかもしれません。資金もコネも、英語力や学歴という武器もない。何もないから大変だったと同時に、何もないからこそ、やれたのかもしれません。

ないからこそ「行動」するしかなかった。ニューヨーカーたちと実際にぶつかって、自分の道を開くしかなかった。(だからって、もう二度と嫌だけど)あくまで「結果論」だけど「何もない」ことが最大の武器だったのだと思います。(やっぱり、もう嫌だけど)

ありがたい自己啓発本を読む時間も、あやしい新興宗教にハマる時間もなかったことは振り返ると幸いだったのかもしれません。世界の中心と呼ばれる大海に飛び込んで手足をバタバタするしかなかった。

もし、当時の自分が何もない状態じゃなければ、「行動」じゃなく「理屈」に走っていたかもしれません。「まずは学校に行って時期を見よう」とか。「とりあえず資格でも取ってハクをつけよう」とか。挙げ句の果てに「やっぱり向いてないから出直そう」とか。

決してそれらを否定しているわけではなく、僕のような弱い人間だと、その「理屈」を「逃げ」の言い訳に利用する可能性が高かった。でも幸い(?)にも、学校に行く時間も、資格を取るお金も、そして、出直すための帰る場所もありませんでした。

結果、渡米2年目から業界に入り込み、3年目から社長業をスタートし、10年前にはオーナーとして新聞社を創業しました。前職の社長業から15年連続で黒字展開し、北米全土では発刊部数がトップクラスのメディアカンパニーを運営しています。

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