NY渡航10年で新聞社創業。何もない若者がなぜ成功できたのか?

 

12歳の七夕に書いた夢をそのままに、いやそれ以上に実現できた最大の理由のひとつは、「橋を渡り、その橋を壊したから」だと思っています。逃げられる橋があると、僕みたいな人間は気づくとほぼ無意識に引き返してる(笑)。橋は壊した方がいい。様々な理由を持って母国からこの国にやってきた周囲のニューヨーカーを見てると、そう思ってしまいます。

「いま、あなたがやれることを一生懸命やりましょう」という類(たぐい)の書籍やセミナーが流行っています。まったく否定しない。素晴らしい考えだと思うし、100%賛成です。でも、僕には「やれること」なんて大してない。僕の許容範囲でやれることをやったとして、たかがしれている。僕個人は自分がやれることだけをやるわけにはいかないんです。

なので、いつも、自分ができることをやろうとはまったく思ってない。自分がやりたいことを、やりたい。自分がやりたいことを先に掲げて、なんとか必死に追いつきたい。今までだってそうでした。根拠も自信もない。でも、やりたいことを自分に聞いて、そこに多少無理してでも、背伸びしてでも、追いつこうとする人生でありたい。

今の世相からすると、人生論を説くセミナー講師や、ベストセラー作家には「そんな無理しても苦しいだけです。不幸せの連鎖になります」と諭されちゃうでしょうか。でも、本人(僕)、頭描きながら答えるつもりです。「いや、楽しいっす(笑)」。そして、申し訳なさそうに付け加える。「たぶん、こっちの方が幸せです」。

アホみたいな例え話ですが、渡米して本当の意味で初めてアメリカ人の話す英語を明確に聞き取ることができたのは、最初のスカイダイビングの時です。

日本のような丁寧な事前説明もほとんどなく、すでに飛行機内に乗り込んだ後、上空1500フィートで、インストラクターのおニイちゃんが注意事項を説明してくれます。タンデムといって一緒に飛んでくれる彼が背中に張り付いた状態で、飛び立つ直前に耳元で、です。窓が開いて風の音がかなりうるさい中、そこそこの早口で話すブロークンイングリッシュをこの時ばかりは一言一句聞き取れました。命が掛かれば、外国語なんてクリアできる(笑)。

(スカイダイビングを兼ねた英会話教室って、儲かるんじゃないかな。あとは英語の説明書を読解しないと装着できない安全ベルト付きジェットコースターとか)後戻りできない自分にしたら、できないことだってできてしまう(笑)

僕個人の今年のキーワードは「橋を渡って、今渡ってきた橋を壊しちゃおう」。帰れない自分になることが、意志の弱い僕には最高の戦略だから。

image by: Shutterstock.com 

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全米発刊邦字紙「NEWYORK BIZ」CEO 兼発行人。同時にプロインタビュアーとしてハリウッドスターをはじめ1000人のインタビュー記事を世に出す。メルマガでは毎週エキサイティングなNY生活やインタビューのウラ話などほかでは記事にできないイシューを届けてくれる。初の著書『武器は走りながら拾え!』が2019年11月11日に発売。

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