上白糖だけじゃダメ?料理好きな科学者が教えるお砂糖8つの違い

 

液糖

ガムシロップ、コーンシロップなどと呼ばれるもので、デンプンを加水分解することで糖の連なりである炭水化物を糖にブチブチ切って作った科学のチカラで生まれた糖です。以前はソフトドリンクに2割近く含まれていたので甘いドリンクをガブのみすると血糖値が爆上がりして健康に悪い代表みたいな扱いを受けていました。

実際に毎日飲むと当然体に悪いのですが、それはさておき、料理の面で考えると、すでに溶けた糖なので、非常に料理への浸透が強く、また果糖フルクトースが多いので強い甘みを感じます。ジャムを作るときなどにこれをベースに煮込むと非常に自然な「おいしい甘み」になり、三杯酢作りや、ベシャメルソース作りなどにも重宝します。実は種類がいっぱいあるのですが、そこは無視して1本台所においておくと便利です。

果糖

ちょっとマニアックなスーパーに行くと売っているスクラロース果糖だけで構成されている砂糖。果糖はブドウ糖やショ糖に比べて20~30%甘みが強いのが特徴で、強い甘みが感じられて、スっと消えるちょっと特異な甘みを持ちます。上白糖に比べて倍以上の価格がするので、あえてこれを選んで買う理由はないのですが、梅酒などの糖分によって味が大幅に変わるタイプのものに使うと恐るべき美味しさを発揮します。

またティーシュガーとして出すと、だいたいの人は「あれ?」っと気づくレベルで魔力のある甘さがあります。果糖は脂肪になりやすい糖でもあり単一の糖の長期的な摂取はちょっとリスクが不明瞭なので、上白糖の代わりに使うのはちょっとオススメしない感じです。ただ上手く使うと料理の味は際立ちます。

てんさい糖

サトウダイコンやシュガービーツなどと呼ばれる寒冷地で育てられる甘みの強い根菜から作られる糖でショ糖より甘みがマイルドで独特の風味を持ちます。ミネラルが残っているのでどうのこうの…と言う話はそもそも栄養素は食材からとるものなので誤差の範囲です(笑)。

調味料として考えると、砂糖よりも甘みが控えめなため、使用量が増えてしまって無駄にカロリーが多くなるので、ジャム作りなどには向いていません。よって、煮込み料理などに控えめな甘みを付けるのに向いています

オリゴ糖

先のいろいろな糖類が連なった状態の糖で、甘みを感じるが人間がそのまま栄養素として利用しにくい(出来ない場合もある)ので、血糖値を上げたくない人が使うなど利用法は様々。ただし、砂糖の代わりに全部使うとどえらい量を使うことになり、また価格も安くないのでその辺はお好み。腸内細菌にとってはごちそうなので人によってはおなかの調子がよくなったり、また悪くなったりする。

それ以外にも、キシリトールやエリスリトールなどの糖はありますが、料理という観点からすれば、どうでもいいので、放置しておきます。

アリエナイ理科ポータルのこの記事をお読みになりたい場合は、こちら

image by: Shutterstock.com

くられこの著者の記事一覧

シリーズ15万部以上の不謹慎理系書「アリエナイ理科ノ教科書」著者。別名義で「本当にコワい? 食べものの正体」「薬局で買うべき薬、買ってはいけない薬 」などを上梓。学術誌から成人誌面という極めて広い媒体で連載多数。

無料メルマガ好評配信中

この記事が気に入ったら登録!しよう 『 アリエナイ科学メルマ 』

【著者】 くられ 【発行周期】 週刊

print
いま読まれてます

  • 上白糖だけじゃダメ?料理好きな科学者が教えるお砂糖8つの違い
    この記事が気に入ったら
    いいね!しよう
    MAG2 NEWSの最新情報をお届け