共に奏で、創る。競争を「協奏」「協創」に変えるべき令和の教育

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未だ教育現場に蔓延る、他人を蹴落とし勝つことに重きを置く指導法ですが、そろそろ限界に達しているのかもしれません。今回の無料メルマガ『「二十代で身につけたい!」教育観と仕事術』では著者で現役教師の松尾英明さんが、これからの時代は「競争」より「協奏」「協創」を重視した教育が重要になるとの考え方を記しています。

競争から協奏、協創へ

令和の時代の教育について。

教育には、競争原理が多分に取り入れられてきた。受験に至っては「戦争」という物騒な名称がつくこともあるほど、教育と競争は根深い関係である(私自身の考えとしては、受験は自分自身との対話と比較であり、その分には結構ではないかと思っている。偏差値70の学校に行きたければ、実は他者は関係なく、偏差値70の学力と人間性を、自分につけるだけである)。

教育における競争が有効な場合。それは、例えばスポーツの世界である。「切磋琢磨」という言葉がぴったりくるような関係なら、大いに結構である。ライバルと互いの技を競い合うというような真剣勝負は、楽しいものである。

しかし、これが間違って取り入れられてきた経緯もある。他人に勝つことを第一に考えられた教育隣の学級は敵勝てば官軍負ければ賊軍。そういう学校風土が各校に実際にあったことは否めないだろう。そして、周りの声を聞く限り、それは今でもたくさんあるのではないかと推察する(部活動においても、間違った競争が未だに繰り広げられているような学校もある)。

競争に勝つより、競争しないで済む方法を考えられる人になることが大切である。奪い合うより、分かち合うようにするにはどうすればいいか。助け合うにするにはどうすればいいか。

競争よりも協奏」「協創」を考えられる人を育てていくべきである。経済の視点からすると、反対されるかもしれない。

しかし長い目で見て、競争力(=人口)の低下を回避できない日本が生き残るには、こちらである。他者の視点で見て、人に喜ばれることを協力して創造していく力が必要である。数の上でアジア諸国に圧倒される日本が、同等の価値を生み出すにはこれしかない。

学校の日々の授業は、競争をさせているか、協奏し協創をさせているか

平成31年と令和元年が混在していた今年から、来年はもう完全に令和の年になる。これからの日本の未来のためにも、今までの教育の在り方を、根本から見直していきたい。

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【著者】 松尾英明 【発行周期】 2日に1回ずつ発行します。

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