政治権力が公文書をないがしろにするようになれば、必ずと言っていいほど、腐敗や悪事がまとわりついてくる。
悪徳詐欺商法の権化ともいうべきジャパンライフの山口隆祥元会長などはその一典型だ。2015年の「桜を見る会」で、総理枠のリストに入れたため、まんまと招待状を受け取った山口元会長は総理のお墨付きの証として使い、次々に高齢者から多額の老後資金を言葉巧みに奪い取って全国に被害を拡大させた。
安倍首相は国会で「山口会長と一対一でお会いしたことはなく、個人的な関係は一切ない」と無関係を装っているが、それならなぜ2015年の「桜を見る会」に招待したのだろうか。その説明責任はいまだ果たされていない。
「桜を見る会」の安倍首相枠をめぐる闇は深い。何が飛び出してくるかわからないからこそ、官邸と内閣府は招待者名簿を徹底的に隠そうとするのに違いない。
2019年の招待者名簿の提出を共産党議員が要求した昨年5月以降、2013年にまでさかのぼって、「桜を見る会」に関するあらゆる記録を削除した、あるいは削除したフリをしている可能性もなくはない。だとすれば、それと引き換えに、公文書管理法違反を指摘され、認めざるを得なくなったことになる。
かりに、「事務的ミス」で言い逃れし、責任を回避できると踏んでいるとすれば、悪質極まりない。安倍首相夫妻による権力私物化の実態を隠すための官邸や内閣府の異様な説明拒否は、もはや救いがたいレベルに達している。
image by: 安倍晋三 - Home | Facebook