時代遅れで欠陥のある教育制度。長寿時代に則した大学教育とは?

 

現代には変化が必要

ここで、先に述べた旧制高校である。「高校」という名称から現在の高校的なものをイメージするかもしれないが、実際には今で言う大学に当たる。より正確に言えば、大学の1・2年、即ち一般教養課程に当たる。因みに戦前の大学は今の大学の3・4年、さらに大学院に当たる。この旧制高校、即ち一般教養課程を大学として復活させ、さらに上級学府として現行の大学3・4年、大学院などの専門課程を大学院として再編するのである。

そうすると、学校制度は、

  • 小学校(6年) [7歳から12歳]
  • 中学校(3年) [13歳から15歳]
  • 高等学校(3年)[16歳から18歳]
  • 大学(4年)  [19歳から22歳]【一般教養課程】
  • 大学院(2年から4年)[23歳から24歳、または26歳]【専門課程】

となる。

ついでに言うと成人年齢は19歳が望ましい。どうしても18歳を以て成人とするなら、就学年齢を前倒しして、

  • 小学校(6年) [6歳から11歳]
  • 中学校(3年) [12歳から14歳]
  • 高等学校(3年)[15歳から17歳]
  • 大学(4年)  [18歳から21歳]【一般教養課程】
  • 大学院(2年から4年)[22歳から23歳、または25歳]【専門課程】

とすればどうか。いずれの場合でも中高は一貫とし、慣例的に前3年を中学生、後3年を高校生と呼称する。また、成人年齢は大学1年となる。

さて、上記の学校制度の特徴は、一般教養を厚くするというところである。これは、現代では身に着けるべき基礎学問が非常に多く、大学の初2年間では到底足りないからである。さらに、会社の側も新卒者の採用基準を学部で決めるということは、医師や弁護士などの一部の専門職学位(所謂professional degree)を除けば基本的にはない訳だから、この式の方がより社会の要請に適っていることになる。なまエキスパートよりはゼネラリストという理屈である。

またこの場合、文理の区別はなく卒業時に与えられる学位は一律「学士」(所謂教養学士)となる。そして、さらなる学問を身に着けたい者だけが、専門的な大学院(2年から4年)へと進む。メディカル・スクールやロー・スクール、そしてリベラルアーツ分野の大学院などである。当然、入学に際しては大学における学業成績などを基礎とした再選抜が行われる。

これにより、大学に入った後にやりたいことが見つかったとしても、その時点からいくらでも進路を選ぶことが出来るようになる。また卒業後、社会人を経験してから入学することも可能になるし、複数の学位を取ることも無駄なく出来る。これからの長寿社会における生涯学習システムである。

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