【カンブリア宮殿】JR東日本が高輪ゲートウェイで仕掛ける攻勢

2020.01.26
by tututu
 

中央線の高架下で異変~おいしい店急増の理由

東京・武蔵野市。今、JR東日本が客の心をつかんでいるのが中央線の高架下。続々と魅力的な店をオープンさせているのだ。例えば、客で賑わうちょっと変わったお好み焼きの店「六甲山」。「お好み焼きミックス」は1000円。ふわっとした食感を生むのはユニークな焼き方。生地で四方から具材を包み込み長方形に焼き上げる。これで中が、ふわふわになるのだ。

一方、家族連れに人気の、食事が評判の「カフェサカイ」。一度は食べたいのが「BLTEサンドイッチ」(972円)。地元で有名なパン屋に焼かせた、雑穀入りバゲットが絶妙なのだそうだ。このモールの名は「ノノワ」。魅力的な店で、高架下を賑わいの通りに変貌させた。「ノノワ」東小金井を作ってきたのが、客目線で日々店舗をまわる支配人の奥冨七重だ。ところが奥富は部屋に戻ると、今度は帽子をかぶって駅のホームへ。実は支配人の奥冨は一人二役。JR東小金井駅の駅長も務めているのだ。
「朝の通勤時間帯にはホームに立ちます。ショップが開店する10時ごろからはショップの巡回を行います」(奥冨)

奥冨が所属するのは、JR東日本が作った「中央ラインモール」という会社。8年前、中央線の三鷹~立川間を高架にしたのを機に設立。商業施設「ノノワ」と駅の運営を一体化して行うことで、今までにない客目線の駅を作るという試みだ。JR武蔵境駅で「中央ラインモール」のイベント担当・出田直彦が仕掛けていたのは、地域の住民に駅のファンとなってもらうための取り組み。沿線のクラフトビールの醸造所10社を集めた飲み比べイベントだ。

「会場に来てくれた方に、次は奥多摩や高円寺の実際の店舗を訪れていただければ、沿線の活性化につながると思います」(出田)
駅全体が一丸となり、地元に愛される鉄道を作り出す。民営化30年、JR東日本の新たな挑戦だ。

村上龍の編集後記

出演者略歴

冨田哲郎(とみた・てつろう)1951年、東京都生まれ。1974年、東京大学卒
業後、国鉄に入社。1987年、国鉄分割民営化、JR東日本入社。2012年、代
表取締役社長に就任。2018年、取締役会長に就任。

(2018年10月18日にテレビ東京系列で放送した「カンブリア宮殿」を基に構成)

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