世界が日本を猛批判。日本に着せられた「環境後進国」という汚名

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全世界が一体となって解決すべき、地球の温暖化問題。2015年のパリ協定では各国のCO2削減対策が義務づけられましたが、米国がいち早く協定から離脱するなど、その足並みはいまだに揃っていないようです。数々のメディアで活躍する嶌信彦さんは今回、自身の無料メルマガ『ジャーナリスト嶌信彦「時代を読む」』で、日本が掲げたCO2削減目標と実態値との剥離やその原因を考察しています。

環境先進国日本脱石炭見通せず

90年代後半、環境先進国を目指していた日本は、最近“脱石炭”の展望を見出せず世界から批判を浴びている。化石燃料(石炭など)の使用は、国際社会が進めようとしているCO2(二酸化炭素)削減に逆行し、温室効果ガスを増やして気象災害などが頻発する危険を大きくさせるからだ。

国際的な脱炭素社会を目指す環境NGO(非政府組織)の国際ネットワーク・気候行動ネットワークから日本はこれまで二度にわたり温暖化対策に後向きと認定され、不名誉な“化石賞”が贈られている。

石炭火力は化石燃料の中でも特にCO2を多く出し、グテーレス国連事務総長が石炭火力の段階的廃止を求めているエネルギー源だ。このため、2015年にパリで開かれた国連気候変動枠組条約(パリ協定)の第21回、国連気候変動枠組条約締約国会議(COP21)は2020年からの地球温暖化対策の国際ルールを決めた。その内容は産業革命前からの気候上昇を2度未満、可能なら1.5度未満に抑えることを目指すとしている。

一日のうちで温度が5度も10度も変わる日常の中で、2020年からの温暖化対策で産業革命前からの気温上昇を1.5度~2度未満に抑えることにどんな意味を持つのか、という疑問も出てこよう。ただ、もしお風呂に入る時の温度が40度以下だった場合は、1度上昇しても何とかガマンして入浴できるだろう。しかし、湯の温度が42度を越し、そこから2度も上がったらとても熱くて普通の人なら入浴できまい。

そのことから応用して考えると、気候変動で限界近くまで温暖化している上、さらに地球の温度が将来2度も上がったら酷暑で人々の生活は苦しくなり、生態系にも大きな変化をもたらし地球に異変を起こしかねないと懸念されているのだ。よくいわれることは、例えば北極や南極の氷が溶け出し、海水温や海水そのものが上昇し予測し難い大きな影響を及ぼしてくることだ。

地球温暖化は先進国の責任が大

1997年に日本が主導し、京都市で開かれたCOP3では温暖化対策の国際ルール「京都議定書」を採択。“先進国が過去に排出した温室効果ガスが温暖化の原因である”とし、過去に大量の温室効果ガスを排出した先進国に排出削減義務を課していた。しかし、15年のパリ協定では途上国を含む全ての国が削減に取り組むべきだと義務付けた。もはや先進国の削減だけでは温暖化を防ぐことはできないと判断したからだ。

ただ気温の上昇を2度に抑えるには、各国が現在掲げている対策の削減目標を3倍、1.5度なら5倍にする必要がある。このためCOP25の議論では、各国の立場の違い、利害もあってかみ合わず、温暖化の被害を受けやすいツバルやカリブ海諸国などは強い表現で各国に削減目標の引き上げを迫る決議を要求したが、排出権が多い中国や新興国は強い表現に消極的だった。

結局、具体的な目標引き上げ数字を表現に入れなかったものの、間接的に削減目標の引き上げを要請する内容で妥協したが、実際は各国が約束を表明している削減目標を実現したとしても気温上昇を2~1.5度に抑えることはできないという。従っていずれ削減目標をさらに引き上げられる合意が採択されることになるとみられている。

過去において気候危機への対応を最初に表明したのはヨーロッパだった。欧州連合(EU)の委員会は2030年までに1990年比で従来決めた40%から少なくとも50%、できれば55%の削減を目指すと宣言した。欧州も含め削減目標の引き上げを表明したのは84ヵ国だったが、温室効果ガス排出量1位の中国と2位のアメリカは対策を引き上げる宣言をしなかった。

日本の現在の目標は2013年比で2030年までに26%減らすと表明してきた。しかし、日本は石炭火力発電を今後17基建設する計画がある上、石炭火力発電装置を数多く輸出する意向が強い。小泉進次郎環境相は「増設や輸出に世界から批判のあることは承知していた」が、石炭火力発電は電源の選択肢として残しておきたいとする経済産業省や企業の声が強く国内調整ができなかったのだ。

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