CO2排出量、日本は世界6位
今のままだと2030年の日本のCO2排出量は世界の総量349憶トンの予測のうち2.3%を占める計算となる。1位は中国の28.5%で、以下2位がアメリカの12.5%、3位がインドの10.4%、4位がEU28ヵ国の6.3%、5位がロシアの2.3%で、日本は6番目の排出国となる。京都議定書作成にあたった1997年には環境先進国を目指す姿勢をみせていた日本なのに2020年から本格的に実施されるパリ協定では石炭火力をまだ温存するため削減目標の積み上げを打ち出せなかったのが実情だ。また、パリ協定は2020年の1月から本格的にスタートするが、アメリカは協定からの離脱を宣言しているし先進国の足並みもそろっていないのが現状だ。
石炭火力発電はノー
ただ国レベルでは足並みは揃っていないものの、企業レベルでは石炭火力発電などの化石燃料から投資を引き上げる動きは進んでおり、その額は1,000兆円に上るとされている。日本の石炭火力発電は、CO2排出が最も少なく世界で一番効率が良いとみられていたが、石炭火力発電そのものを否定されるとなって日本は苦しい立場に追い込まれてしまった。普及の道へ進まざるを得なくなってきたといえよう。しかも各国は2030年までの温室効果ガス削減目標を2020年2月までに改めて国連に提出することを求められている。
日本の石炭火力発電は、電力供給のうち33%を占める。液化天然ガス(LNG)火力の40%に次いで多い。福島原発事故で全原発が停止したため、原発の供給割合約30%がほとんどなくなったため、ますます石炭化量の比重が増えているのが実情だ。
しかし日本の高効率の石炭火力のCO2の排出量はLNG火力の約2倍あるため、フランスやドイツなどの先進国は石炭火力の廃止や削減の具体的目標を示し、グテーレス国連事務総長はCOP25で20年以降の新設中止を各国に要請している。日本は石炭火力以外のフロンの削減や、さらなる技術開発でCO2削減を進めないと環境後進国の汚名をさらに拡大させることになろう。
(Japan In-depth 2020年1月19日)
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